ファーウェイ禁輸、日本企業に「意外な楽観論」 「影響は小さい」電子部品メーカーの本音

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対応が各社で分かれていることについて、大手家電量販店の役員は「ファーウェイから入るリベート(報奨金)が影響しているのではないか」と打ち明ける。家電量販店は通常、製品の入荷や販売実績に応じてメーカーからリベートを受け取っている。メーカーが重点的に力を入れたい製品には多額のリベートが家電量販側に入ることもある。

2018年に発売されたファーウェイの廉価版スマホ(撮影:今祥雄)

iPhoneが圧倒的強さをもつ日本市場に食い込むため、ファーウェイは販売チャネルの構築に多大な費用を投下している。都内の家電量販店では専用の販売エリアを設けるなどブランドイメージの構築を図ってきた。「一時は他メーカーより(リベートが)数割高く、人通りが多い都市型店舗の目立つところに陳列するだけでもリベートをもらえた」(元家電量販幹部)。

その結果、携帯キャリアを選ばない「SIMフリー」スマホの販売でファーウェイは日本1位の座を手に入れた。

ファーウェイが売れなくても「痛くない」

ただ、「各社とも消費者に買われない製品をいつまでも置くことはないだろう」(先の大手家電量販役員)というように、消費者がファーウェイ製品を敬遠すればいずれ取り扱いはなくなるとみられる。「iPhoneが売れなくなるなら痛いが、ファーウェイならかゆいくらい」(都内の家電量販店店長)との本音も聞こえる。

一方で日本の電子部品メーカーの業績への懸念が高まっている。ファーウェイはスマホに搭載されるカメラやセンサー、電池などの各種電子部品を日本企業から調達している。ファーウェイショックが嫌気され、村田製作所やTDK、太陽誘電、ヒロセ電機などの株価は下落し続けている。

TDKと太陽誘電は日本の電子部品メーカーのなかでもファーウェイへの売り上げ依存度が高いとされる。関係者によると、売上高全体に占めるファーウェイ向けの割合は6~8%強。現時点ではファーウェイからの発注は止まっておらず、供給を続ける見込みだ。

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