日本にも及ぶ「ファーウェイ禁輸」全69社リスト アメリカ由来の部品・技術も日本から輸出不可
アメリカ商務省は日本時間の5月17日午前、中国の通信機器大手ファーウェイ(華為技術)を、輸出管理規則に基づく禁輸措置対象のリスト(エンティティ・リスト)に正式に入れたことを発表した。掲載対象は中国深センのファーウェイ本社、日本法人・華為技術日本を含む世界各国の69社。今後は対象法人に対して、アメリカ政府の許可なくアメリカ企業から部品・技術などを輸出できない。過去の事例を踏まえると基本的に許可が出ることはなく、厳格な禁輸措置として運用される見通し。
日本企業にとって重要なのは、ファーウェイに対する禁輸措置は、海外諸国を経由した迂回輸出も対象である点。日本企業がアメリカ由来の部品・技術を使い、日本や中国などで製造したものでも、ファーウェイへの輸出は禁止される。また日本国内の研究開発拠点で、ファーウェイ社員との共同開発を行う場合も、アメリカ由来の技術・製品の利用は技術輸出とみなされる。企業以外に、大学や研究機関も禁輸措置を遵守することが求められる。
ただ、アメリカ由来であればすべて禁輸対象となるわけではなく、国家安全保障の観点から重要な特定の製品・技術が別途指定される。
違反してファーウェイに対する輸出を行った場合、日本企業であっても「ディナイド・パーソン・リスト」(取引禁止顧客名簿)に掲載され、アメリカでの商取引が禁じられる。
アメリカの国内行政制度が海外諸国に効力を持つことは、本来であれば、国際法上の問題がある。ただ、違反した場合はアメリカでのビジネスをまるごと失うリスクを負うため、日本を含む海外企業はこれまで、アメリカの輸出管理規則に原則として従ってきた。
禁輸措置の対象となったファーウェイ傘下企業は次ページのとおり。順序と表記は商務省の資料に基づく(順不同、※は東洋経済による補足)
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