中田敦彦はなぜテレビの仕事を減らしたのか 芸能事務所に頼らないタレントが増えていく

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――物販やオンラインサロンなど、やっていることは「キングコングの西野亮廣さんのまねでは」との声もある。

みんな「パクるな」「パクるな」というが、この世に本当にオリジナルのものなんてほとんどない。少しジャンルを変えたり、見せ方を変えたりして、ドンと大当たりすると、みんなやっかんで「パクった」と言うが、ヒットしているものは、それだけで価値がある。

――テレビの世界にこだわりはないのか。

僕にはもともと、あまりこだわりがない。同じことをやると飽きてしまうタイプ。ルミネtheよしもとで、同じネタで1日3公演とかやると悲しくなったりもする。

「同じことをやると飽きてしまうタイプ」と語る(撮影:今井康一)

もともとデビューしてすぐ「武勇伝」ネタで売れたけど、その後レギュラー番組を失ったりして、「トリッキーな商品は長持ちしない」と言われた。だから長持ちするといわれる漫才にも挑戦したけど、僕らにはいまいちフィットしなかった。それでM-1グランプリに出場するのもやめた。その後、「RADIO FISH」を結成して『PERFECT HUMAN』が売れて、ルミネtheよしもとに出るのもやめた。

今はテレビの仕事をセーブしている。2018年3月に「ビビット」、9月に「ヒルナンデス!」、12月に「爆報!THEフライデー」のレギュラーから卒業した。共演者の方は大好きで、中でも真矢ミキさんに会えなくなるのが悲しかったけど、僕が今やるべきことではないなと考えた。

音楽ではお金が入ってこない

――『PERFECT HUMAN』のヒット後、音楽ユニットの活動を柱にするという選択肢はなかったのか。

『PERFECT HUMAN』で金銭的に潤っていたら、そうなっていたかもしれない。ただ正直言って、まったくといっていいほどお金は入ってこなかった。実際、音楽による著作権や印税についてはすごく考えさせられた。

そのからくりは簡単。楽曲は1ダウンロードすると250円。日本の今の音楽配信市場だと、40万ダウンロードいけば年間ランキング1位になる。そして250円のうちアーティストの印税は3%、作詞の印税が3%。僕らが6人組なので1人当たりに換算すると1%。だから40万ダウンロードされても、250×40万×1%で1人100万円しか懐には入らない。

音楽業界はCDが駆逐されつつあり、売り方が「ビックリマンチョコ化」している。つまり、リスナーはチョコが欲しいわけではなく、ビックリマンシールが欲しいからCDを買う。アイドルの握手会参加券つきのCDがまさにそれ。それだけ音楽だけでマネタイズするのは厳しい。だから音楽活動ではなく、アパレルとかオンラインサロンに目が向いた。

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