1960年代半ばまで、見合い結婚が半数を占めていました。「恋愛してから結婚」という道筋ではなく、極論すれば「出会い即結婚」でした。そこには、仲人や世話焼きおばさんたちなどによる第三者の目利きがありました。当事者の主観や感情ではなく、客観的で冷静な視点があればこそ、当時の皆婚と低い離婚率が達成されたのかもしれません。
世帯年収に格差はあるのか?
ところで、本連載においてたびたび話題にしてきましたが、「女性の経済力上方婚」志向があります。これは、「女性は結婚相手に対して、とくに年収について自分より高い相手を選択する」という傾向です。婚活において「相手の希望年収はいくら以上」というのもその表れです。
実際、夫婦となったカップルのその恋愛強者・恋愛弱者のマッチング別に、夫婦の世帯年収に格差はあるのかについて調べました。前提として、本調査は世帯年収300万円未満を対象外としています。結果は以下のようになりました。
恋愛力同類婚夫婦の平均世帯年収は760万円。女弱者の恋愛上方婚(男性のほうが恋愛強者である夫婦)は686万円、3つの組み合わせで男弱者の恋愛上方婚(女性のほうが恋愛強者である夫婦)の場合が最も高く、平均世帯年収は777万円でした。
つまり、「恋愛弱者の男性×恋愛強者の女性」による組み合わせの夫婦の世帯年収がいちばん高いということです。これは言い換えれば、あまりモテない男性でも高年収によって、モテる恋愛強者の女性と結婚することができた、と見ることもできます。結婚においては、経済力が恋愛力を凌駕するのです。
参考までに、2016年国民生活基礎調査に基づいて、核家族世帯に限って平均年収を算出すると約545万円ですが、世帯年収300万円以上の核家族だけに絞ると平均世帯年収は711万円となります。その全国平均を唯一下回るのが、「恋愛強者男×恋愛弱者女」の組み合わせです。
「恋愛と結婚は別物だ」とはよく言いますが、男性の結婚という視点で見ると、恋愛強者であることはたいして大きなポイントにはならないのかもしれません。
確かに、学生などの若いうちは容姿やモテるコミュニケーション力などの恋愛力が物を言いますが、その神通力は結婚には通用しないということです。そして、「色男、金と力はなかりけり」と川柳にいわれるように、恋愛力と経済力は一致しているものではなく、うまくバランスがとれているともいえます。
そう考えると「結婚相手には高年収の男がいい」と希望する婚活女性のライバルは、恋愛強者の女性だらけということになります。相当、熾烈な戦いになりそうです。ちなみに、上記調査で組み合わせを問わず、上位3割の恋愛強者女性だけを抽出した夫婦世帯年収は840万円となり、突出して高かったことを最後にお伝えしておきます。
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