とはいえ、未婚者の統計だけで、恋愛強者3割と断じるのは乱暴ではないかというご指摘もあります。なぜなら、既婚者は全員恋愛経験者ではないか、というわけです。
確かに、現在は9割以上が恋愛結婚をしており、日本の有配偶率は約6割です。ならば、そうした既婚者の数字を合わせれば恋愛強者は3割どころか、7割近くになるのではないか、と。しかし、既婚者だからといって、全員が恋愛強者といえるのでしょうか? 恋愛経験者と恋愛強者は違います。
全国未既婚者3万人を調査した
そこで、私は20~50代の全国未既婚者3万人調査を実施し、恋愛に関する強者・弱者度を数値化しました。
質問項目としては「自分は恋愛上手であるか否か」「恋愛に対して能動的であるか否か」「異性に対して告白したことがあるか否か」「異性から告白されたことがあるか否か」「自分の容姿に自信があるか否か」「これまで付き合ったことのある人数」など複数項目の結果を5段階評価に分け、全項目平均で4以上の対象者を恋愛強者として分類しています。
これによれば、未既婚比較をすると、当然ながら未婚者のほうが恋愛強者率は低く、既婚者はその倍の値でした。とはいえ、20代既婚者こそ恋愛強者率は男女とも4割を超えますが、30代以上は出生動向基本調査の結果同様、男女とも3割前後に落ち着きます。20代だけ突出するのは、そもそも20代での婚姻数が少ないことと、20代で結婚に至る若者に恋愛強者が集中するからです。
結婚したからといって、全員が恋愛強者だとは決していえないし、恋愛強者だから結婚できているわけでもないのです。1980年代までの日本の皆婚を支えたのは、お見合いと職場縁などのお膳立て婚だという話は、『100年前の日本人が「全員結婚」できた理由』に書いたとおりです。
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