トヨタ・パナ住宅統合、歴史から読み解く意味 偉大な創業者たちの問題意識を継承できるか

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住宅事業統合について記者会見し、握手するトヨタ自動車の白柳正義執行役員(左)とパナソニックの北野亮専務執行役員=5月9日(写真:時事)

過去の偉人や著名人には、住まいや人々の暮らし、街のあり方に強い関心を示していた人物が数多くいる。わが国の代表的な企業の経営者も同様である。例えば、トヨタ自動車の創業者、豊田喜一郎氏がその1人だ。

同氏は、「木や紙でつくった燃える家ではダメだ。人は誰でも皆、ある一定水準以上の住宅に住む権利を持つべきだ」などの言葉を残している。その想いを実現するため、1975年にトヨタ自動車工業(当時)に住宅事業部が設立され、現在のトヨタホームに受け継がれている。

松下幸之助氏も家づくりに強い思い

パナソニックの創業者・松下幸之助氏も、「今、うちには何百という事業がある。そやけど、そのなかで、たったひとつだけ自分自身がやってみたいという事業がある。それが家づくりなんや」と話したという。

松下氏は、1959年に松下電工(現・パナソニック)の建材事業部で工場生産住宅の開発に着手。ナショナル住宅建材(1963年設立)以降、ナショナル住宅産業、パナホーム、そして現在のパナソニックホームズへと社名こそ変わったものの、住宅事業は今に続く事業となっている。

なお、松下氏は住まいそのものについて、「単に雨露がしのげ、心身の置きどころになればよいと考えるのではなく、さらに進んで、人間を練り鍛える道場、人格の成長をはかる場所」という言葉も残している。

以上の言葉から、豊田喜一郎氏、松下幸之助氏の2人は、住まいに関連する物事を国の発展や国民の豊かさの象徴と捉え、強い問題意識を持っていたと考えられる。

さて、トヨタ自動車とパナソニックによる住宅関連事業の統合が5月9日に発表された。発表内容の骨子は、2020年1月に共同出資会社「プライム・ライフ・テクノロジーズ」を立ち上げ、両社の住宅関連の子会社であるトヨタホームやパナソニックホームズなどを移管するというものだ。

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