大和ハウスと積水ハウス「異例人事」のワケ いずれも非「住宅事業たたきあげ」社長が就任
住宅業界のツートップ、大和ハウス工業と積水ハウスのそれぞれで新しい経営体制が動き出している。特徴は、2人の新社長が創業以来の本業である戸建て住宅の営業畑出身ではないことだ。これは両社ではかつてない異色の人事といえる。また、新体制の発足は両社にとって大きな世代交代であるほか、住宅業界全体にとっても大きな影響がありそうだ。新体制にはどのような意図があるのだろうか。
コア事業により依存しない動きが強まる
2月1日、積水ハウスは仲井嘉浩社長(常務執行役員、経営企画・経理財務担当から昇格)による新経営体制を始動した。社長交代は10年ぶりのことだ。
仲井氏は、京都大学工学部工業化学工学科を卒業し入社。マンション事業のほか、同社では珍しい商業施設などの営業職を経て、経営企画部で社歴を積んできた人物である。
先々代の和田勇相談役(77歳、前会長)、先代の阿部俊則会長(66歳)が経験してきた戸建て住宅事業の営業経験、各エリアの営業本部長の経験がないことが異色である。歴代社長就任者の中で最も若い52歳という年齢も特筆ものだ。
一方で、それに先立つ昨年11月、大和ハウス工業でも新体制が発足。芳井敬一氏(60歳)が社長に就任している。中央大学文学部哲学科を卒業後、神戸製鋼を経て、大和ハウスに入社。建築事業(非住宅)の営業職を経て、姫路支店長、金沢支店長、海外事業部長、東京支店長などを歴任してきた。
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