「シックスパッド」のMTG、利益9割減の大誤算 インバウンドが直撃、復活のカギはサブスク

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美容ローラー「リファ」はインバウンド需要が失速し、下方修正の主因となった。2月には家電量販店初のインショップをビックカメラ有楽町店にオープンした(撮影:尾形文繁)

美容ローラーの「ReFa(リファ)」やEMS(筋電気刺激)トレーニング機器「SIXPAD(シックスパッド)」で知られるMTGの業績が急失速している。

ユニコーン銘柄と呼ばれたMTGは昨年7月に東証マザーズに上場。上場初日の終値(7350円)で計算した時価総額は2840億円となり、マザーズではフリマアプリのメルカリ(6164億円)に次ぐ規模だった。

3月29日に発表した2019年9月期の業績予想によると、売上高は700億円から510億円(前期比16%減)、営業利益は98億円から10億円(同89%減)と、期初予想と比べて大幅な下方修正となった。

インバウンド大幅減少が直撃した

MTGの松下剛社長は東洋経済の取材に対し、「この10年間、平均で4割近い成長をしてきた。一番外してはいけない上場後間もない決算で下方修正をするということは経営者として反省しているし、多くの株主の皆さんの期待を裏切ってしまった」と語る。

修正の最大の要因はリファのインバウンド売り上げが大幅に減少したことだ。中国で電子商取引(EC)関連の規制が強化された影響で、日本や韓国の免税店における売り上げが急減。下方修正した売上高190億円のうち、155億円がインバウンド要因だ。

「リファ」ブランドへの依存はMTGが従来から抱えていた課題だ。顔用のみならず、ヘッドやボディ用などのカテゴリーを拡充してきたことが功を奏し、2018年7月末には累計出荷数が1000万本を突破した。中でも主力商品の美容ローラーと、専用のプレートを使ってリンパや血液を流す「カッサ」の国内シェアは9割にのぼるという。

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