「シックスパッド」のMTG、利益9割減の大誤算 インバウンドが直撃、復活のカギはサブスク

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日本や韓国と異なり、順調に成長している中国国内はリファとシックスパッドの販路を拡大する。最重要チャネルのECはアリババのTMALLに加えて、2019年春以降、JD(京東)、KAOLA、VIP、REDとも提携する。ほかにも大手代理商などとも組む。

シックスパッドはサッカー選手のクリスティアーノ・ロナウドが広告塔に。ロナウドの右隣にある商品が、ヒット中の「Foot Fit」(撮影:尾形文繁)

リファやシックスパッドに次ぐブランドの育成にも本腰を入れる。新ブランド「NEW PEACE(ニューピース)」を今年秋に投入するのだ。睡眠の質を高めることを目的としたマットレスで、AIがその人に合った一番良い状態に誘導してくれるという。詳細は開示されていないが、ミストやホームジムと同じくサブスク型での展開を検討する。

リピート商品の売上比率を将来30%に

松下社長は「商品を売って終わりではなく、(サブスク型にすることで)サービスを提供し、ずっと向き合っていきたい。サブスクや消耗品の比率を上げることで売り上げの質を変えていく」と狙いを話す。化粧品やEMSの交換用ジェルシートなど、リピート商品の売上比率は現状10%ほどだが、3年後には30%に引き上げ、安定顧客を取り込みたい考えだ。

だが、こうした施策や新商品が減少したインバウンドの穴埋めになり得るかは未知数だ。例えば、「リファ」ブランドで新たに参入するヘアドライヤー・アイロンは、すでに美容家電の競合が存在する。これまで独自の商品を開発し、市場を創出してきたMTGとは違った戦い方になる。松下社長は「テクノロジーとデザインがともに勝てないと、消費者に選んでいただけない。韓国は美容大国だし大変期待している」というが、もくろみ通りにいくか。

新商品を相次いで投入するために、2019年秋から2020年にかけてはマーケティング費用もかさむ。さらに、数年後を見据えた研究開発費もつねに発生する。松下社長は「巻き返しのために急に新商品を投入したり、サブスクと言っているわけではない。業績は半年、1年で急激にとはいかないが、新商品を投入するこの秋冬ぐらいから業績を回復させ、3年後にはV字回復を果たしたい」(松下社長)と語る。そのためには今後投入する商品を確実にヒットにつなげることが求められる。

常盤 有未 東洋経済 記者

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ときわ ゆうみ / Yuumi Tokiwa

これまでに自動車タイヤ・部品、トラック、輸入車、楽器、スポーツ・アウトドア、コンビニ、外食、通販、美容家電業界を担当。

現在は『週刊東洋経済』編集部で特集の企画・編集を担当するとともに教育業界などを取材。週刊東洋経済臨時増刊『本当に強い大学』編集長。趣味はサッカー、ラーメン研究。休日はダンスフィットネス、フットサルにいそしむ。

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