警察官「無能が出世することはない」独自の掟 彼らの世界に「理由なき昇進」はあり得ない

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警察は自前で「道場」も持っていて、警察学校はもちろんのこと、各警察署や警察本部にもあります。ここには朝、昼、夜の顔があります。朝は警察官が、自主的に通常7時ごろから柔剣道の自主練習を行います。

「自分の身体を守れない者は、他人を救護できない」「今日より若い日はない」という心構えで練習をします。昼は、小中学生に向けた少年柔剣道の練習です。この練習には指定された警察官も指導者として参加します。夜は、捜査本部員の寝どころとなることがあります。

「霊安室」は、あまりなじみがないでしょうが、ここでは数々の悲劇的ドラマがあります。多いのが、事件・事故に巻き込まれた方や行方不明者にまつわるものです。朝、元気な姿で出勤したご主人と、夕方には霊安室の棺の中で会う、ということが現実にあるのです。お子さんが一緒の場合、警察官といえども深い悲しみを負います。涙をこらえて検視を終え、棺をそのままに帰宅することもあります。

徹底した「階級組織」

警察は階級に基づいて組織されています。その意味では、上下関係がはっきりしています。堅苦しいかもしれませんが、巨大な組織を束ねて治安の維持に取り組むには、規律が必要なことは確かです。

階級は警察官の日常にも深く浸透します。例えば、警察官のあいさつは敬礼です。基本的には、下位の者がまず敬礼し、次いで上位の者が答礼します。社会や組織の中でのコミュニケーション不足が叫ばれて久しい昨今ですが、その点、警察官は迷うことなく敬礼でコミュニケーションを取ることができます。何か声をかけ合うわけではありませんが、まず一方が敬意を示し、もう一方がそれに応えるわけです。

階級はキャリアを除いて誰もが巡査からスタートし、昇任試験をパスすることで上にいくことができます。また、階級と連動して役職も上がっていきます。役職は、民間企業と同じで、主任、係長、課長、部長などと上がっていきます。上の役職になるほど、多くの部下を抱えることになります。つまり、出世が昇任試験という形で制度化されているわけです。

ですから、「理由はよくわからないが、なぜかあいつは昇進した」とか、「誰よりも頑張ったはずなのに、昇進できなかった」ということが、警察では起こりにくいのです。こうした面では、警察より公平な組織はないと思います。

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