ココイチ、「ほぼ毎年値上げ作戦」成功のわけ

人件費や消費増税対応で利益は伸び悩む

実は、ココイチの値上げは今に始まった話ではない。ベースとなるポークカレーの値上げは、2016年12月から2017年12月にかけて地域ごとに値上げをした。今回はそれ以来2年ぶりの値上げとなるが、トッピングやライス増量の値上げ、地域別価格帯の見直しなどを含めれば、近年ではほとんど毎年値上げが行われている。

たとえば、人気のロースカツカレーにトッピングでチーズを選び、辛さを1辛、ライスを400グラムにした場合。都心部の税込み価格は2013年の1000円から1030円→1084円→1115円→1140円と、年々上昇してきた。6年間で14%値上げした計算になる。

値上げ戦略に苦しむ外食チェーン

外食チェーンでは、値上げ後に客離れを起こして苦しむことが多い。牛丼チェーンの吉野家は2014年12月に牛丼(並盛)の価格を300円(税込み)から380円(同)に値上げした際、既存店の客数は半年以上にわたり前年同月比10~20%の大幅な減少に見舞われた。

焼き鳥居酒屋チェーンの鳥貴族も、2017年10月に全品280円(税抜き)から298円(同)に値上げしたものの、2017年12月から16カ月連続で既存店客数の前年割れが続いており、苦しい状況を抜け出せない。

一方、ココイチは度重なる値上げにもかかわらず、月次の既存店客数は前年同月を上回ることが多い。2019年2月期(2018年3月~2019年2月)も12カ月のうち8カ月で前年超えとなった。値上げ初月となった今年3月も、客数は前年同月比0.2%減とほぼ横ばいを維持。値上げにより顧客1人あたりの客単価が1.5%上昇し、既存店売上高は前年を1.3%上回った。

ココイチのメニューはカレーソースとトッピングの価格が別建てとなっているため、一つ一つの値上げ幅は大きくない。そのため、「値上げしていたことを知らなかった」(20代男性)と話す顧客は多い。

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