「何もしない日」を毎月作ると人はどう変わるか 自分との予定をもっと大切にしてみると…

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広告会社で働いているというと、つねに人と会ってミーティングしているイメージがあるかもしれません。でも僕にとって、「余白」の時間を確保することは、人と会う時間を確保するのと同じくらい大切なのです。

僕は、月の初めに「今月の何もしない日を決める」というToDoがスマホに表示されるように設定しています。その表示が出たら、その月の週末のどれか1日にシャッと斜線を引いてしまう。これで、「余白ブロック、完了!」です。

余白の日に「する」こととは

余白の日は、とくに何もせずボーッとする日。と同時に、「当日の気分次第で、何をしてもいい日」という意味合いもあります。毎日の予定を「幕の内弁当」に例えて考えれば、仕切られたスペースのうち1つくらいは何も入れないでおこう。そんな感覚で空けてある日なので、その日の朝は「何もしない」または「気ままに、普段やらないことをする」、どちらでもOKです。

もちろん、時には余白の日が、前日からこぼれてしまった仕事をする日や、ずっと怠けていた片付けをする日に変わったりもします。ずっと「積ん読」になっていた分厚い本を、腰を据えて読むこともあります。

でも、たとえ、こうした重めのタスクや情報収集で埋まったとしても、あらかじめ余白を設けておいたからこそ、気持ちの余裕を持って取り組めるのです。そういう意味で、定期的に設ける余白の日は、ToDoに追われる日々の「アジャスト日」「バランス調整日」としても機能するといえるでしょう。

幕の内弁当も、「定番のおかずで埋めつつ、最後の1つの枠には、その日の気分で好きなものを入れよう」というほうが楽しい。同じように、スケジュール帳も、「やらなくてはいけないこと」「人との予定」で埋め尽くすのではなく、あえて余白をつくっておく。

すると、その日の朝「したい」と思ったことに1日を使うことができるのです。いつも目の前のことで精一杯では、イレギュラーな面白いモノやコト、チャンスを見逃しかねません。だから、余白の日をつくって、自分をアジャストする、バランスを取る。そうすると気持ちに余裕が生まれます。

気持ちに余裕が生まれると視野が広がっていく。こうしてチャンスを捉えるアンテナも、より研ぎ澄まされていきます。

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