職場の「嫌われ上司」が今すぐ変わる5つの方法 悩ませ部下を元気にする「タイプ別対処法」
失敗して、自信を喪失している部下に対して、次のような対応をとった経験はないでしょうか。
直属の部下が大きな失敗をしてしまいました。ひどく反省し、落ちこんでいるようです。自信を喪失し、顔色も悪い。「やっぱりここは話を聞いてあげることかな」。あなたは部下と、1時間以上の面談タイムをとることにしました。
でも、待ってください。本当に、「部下の話をじっくりと聞いてあげるのがいい上司」?実はこれは、私が企業向けに行っているセミナーの中で、いちばん反響が大きく、「誤解していました」という感想をいただく部分なのです。
部下の話をしっかり、じっくりと聞いてあげること。それはもちろん間違いではありませんが、必ずしも、いつもいつもじっくりと、最後まで話に付き合い、聞いてあげることが部下のためになるとは限りません。
では、失敗して自信を喪失してしまった患者さんとの面談。精神科の医師なら、どうするでしょうか?
確かに、多くのクリニックにおいて、初診ではじっくりと時間をとり、患者さんの話や状況をしっかりと伺います。しかし精神科医は、親身にはなるものの、やたらに共感したり、わざと涙を流させたりするようなことはしません。そして再診時には、必要だと判断される場合を除いては、初診時ほどたっぷりと時間をとって相手の話を聞くことばかりはしないのです。
なぜなら、失敗やつらい気持ちというものは、多くの場合、それを反芻したり考えたりするたびに、負の感情が増幅されて、うつ状態が悪化したり、攻撃性が高まったりする場合があるからです。
ですから、失敗は反省しすぎないほうがいいし、つらい気持ちは反芻しすぎないほうが、精神衛生上いいのです。
では、上司の方々は、「失敗して…自信ソウシツ部下」に、どう対応したらよいのでしょうか。私は、次の3つをお願いしたいと思います。
①失敗談やつらい気持ちはサラっと聞き、繰り返させない
②失敗の中に今後に役立つ可能性を見つけてあげる
③前向きなエピソードを用意する
受け取り方までをコントロールすることはできない
私は一生懸命、患者さんが生きることに前向きになれるよう、生きる意味を見つけ出してくれるよう、日々努力しています。しかし残念ながら、私が発した言葉を悪く受け取ってしまう患者さんもいましたし、努力が実らず、転院されてしまった患者さんもいました。精神科医になった当初は、それこそ自分自身がメンタル不調になるほど悩んだりもしていました。しかし、あるとき気づいたのです。
私は、持っている知識、技術、愛情を込めて一生懸命やった。ここまでは私の範疇であるが、それを彼らがどう受け取るか、また彼らがどう行動するかは、私の範疇外であり、患者さんの自由である、ということに。「患者さんの受け取り方」までをコントロールすることはできないということに。
上司の方々へ。今のあなたの知識、技術、愛情を総動員して、一生懸命、部下に接したならば、落ち込むことは何もありません。彼には彼の受け取り方があり、彼には彼の人生があります。それはそれで、尊重すべきなのです。
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