職場の「嫌われ上司」が今すぐ変わる5つの方法 悩ませ部下を元気にする「タイプ別対処法」

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自己評価が高い、ということ自体は、決して悪いことではありません。こういったタイプの人はうつ病にもなりにくく、比較的打たれ強い性格です。問題なのは“他人に”「自分を高く評価してくれ」と求めすぎる人です。

「高すぎる評価を求める部下」をどうするか

「高すぎる評価を求める部下」編

上司として困るのは、彼らの求める「高評価」が、実際の業績と見合わないときでしょう。すばらしい成果を上げているならともかく、大したことがない成果に対する評価を求められても、手放しでその気持ちに応えてあげることは難しいですよね。

(C)JUN OSON

そんなときに使えるのが精神科のテクニック、「認め」です。

部下との面談において、「認め」から入ることは非常に有効です。認めるとは「○○をしたのですね」「○○の収益を上げたのですね」「○○という結果を出したのですね」という、事実を認めることです。

「認めるだけでは彼らは満足しないのではないか」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、心配いりません。なぜなら、「認め」とは、「あなただったらそれくらいはできると思っていた」という確認としても相手に響き、人そのものの賞賛にもなるからです。褒められた興奮というよりは、静かな満足感を得られるため、プライドの高い部下には効果的です。

「指示待ちニンゲンな部下」編

「ダメ出し」の連発は、人のやる気を奪います。まずはこの事実をしっかりと認識していただきたいと思います。ダメ出しを連発すると、なぜ、やる気がなくなるのでしょうか。それは、自己肯定感が下がるからです。自己肯定感とは、「私は大丈夫」という気持ちです。

ではどうすればいいのでしょうか。他でもない上司のあなたが、「自己肯定感」「自己効力感」の育て直しをしてあげてほしいのです。

「育て直し」の方法は単純。ダメ出しの反対、「ヨイ出し」の連発をすればいいだけです。「ヨイ出し」、あまり聞いたことがないフレーズかもしれませんが、上司の辞書には必須ワードだと思ってください。ぜひ、書き込んでおいてください。

「ヨイ出し」とは、なにもホメホメ大作戦、というわけではありません。ここまで読んできてくださった方はピンときていらっしゃるかもしれませんが、部下をむやみに褒めることではなく、「いいところを認めて、言葉に出す」ことだと思っていただけたらと思います。言ってみれば「ミトメミトメ(認め認め)大作戦」です。

とにかく加点方式で考えて、まずは彼らに自己肯定感の種を植え付けていきます。ヨイ出しは、何も仕事のことだけでなくてもいいのです。仕事以外のことでも、雑談の中のことだっていいのです。たとえば「いい字を書くなぁ!」といったことでも、それが本当に思っていることであれば、悪い結果になることはありません。

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