「流行の服を着る女性」が仕事でナメられる理由 信頼を上げる服、下げる服を知っていますか

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まずお伝えしたいのは、「女性ファッション誌を鵜呑みにしてはいけない」ということです。もちろん、女性誌は非常に役立つもので、それ自体を否定するものではありません。私自身も女性誌を見るのは大好きです。しかし、「雑誌に『仕事にもOK』と書いてあったから」「『今年おすすめの仕事服』と書いてあったから」といった理由で、そのままスタイルやアイテムを選ぶのは危険です。

まず、多くの女性誌が目指す女性像は、「きれいでファッショナブル」「かわいい」など、甘めに感じられるものです。流行として扱われるスタイルは仕事にしてはカジュアルか、ドレッシーなスタイルやアイテムが提案されます。

そのスタイルやアイテムをそのまま取り入れてしまうと、ビジネスシーンでは重視されるはずの「信頼感」「責任感」「有能さ」「頼りがい」という固めなイメージは手に入りにくいことが多いのです。

日々仕事での研鑽(けんさん)を積み、部下を持つ人も多く、責任ある役割や卓越した専門性を持っているキャリア女性たちにとっては、時として間違いになることすらあります。

信頼感を落とすディテールに注意

「かわいい」を大切にしたいという感情は、多くの女性にとって自然なものです。しかし、そのさじ加減を誤ってしまうと、たちまち「軽んじられる」「信頼を損ねる」という思わぬ不利益をこうむることがあります。 

とくに気をつけたいのは、服のディテールが与える印象です。服装は周囲に着る人のメッセージを伝えます。「かわいい」印象はどんなメッセージを伝えるでしょうか。「かわいいと思って」「かわいがって」というメッセージを伝えているとしたら、ビジネスでの姿勢ややる気を伝えるのは難しいのではないでしょうか。例えば、フリル、リボンのような装飾や花やハートのモチーフからは、そのようなメッセージが伝わってしまうので、軽く扱われる原因になっていることも多いのです。

また、「色」や「柄」の身につけ方で失敗している人も多く見かけます。スタイルが決まっている男性スーツと違い、女性の衣服は選択肢が豊富ですので、スーツのジャケットをワンピースに合わせたり、違うセットアップ用のスカートと合わせたりすることもできます。しかし、無頓着に違う柄のもの同士を合わせたり、柄ジャケットに模様の入ったインナーを合わせたりすると、柄同士がぶつかり見た目がごちゃごちゃします。

ごちゃごちゃした見た目では、有能感や洗練、品がなくなりやすくなります。それでは「任せたい印象」「プロフェッショナル感」がなく見えるでしょう。例えば、ストライプのジャケットにレースのインナーを合わせたり、織柄のジャケットに柄物ワンピースを合わせたり、という組み合わせは失敗例です。レースや織柄も無地ではなく、凹凸があり、それが「柄」として目にふれるのです。

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