「沖縄と核」の歴史、戦後の知られざる真実

恩納村に中距離核ミサイルが配備されていた

知人や同僚との雑談の中で、沖縄に置かれていた核兵器についての話題を振ってみたが、その反応は予想通りだった。

沖縄にかつて核兵器があったことを知っていればいいほうで、そのことを知らない人のほうが多かった。知っていたとしても、沖縄の本土復帰とともに語られる「核抜き・本土並み」という言葉を思い出して、「『核抜き』ってことは核兵器があったんだろうね」と逆に推測する程度の漠然とした知識でしかなかった。

沖縄には、かつてどのような核兵器が、どのくらい配備されており、兵士たちはどのような思いを抱えながら任務にあたっていたのだろうか……。

核兵器と隣り合わせの生活

取材では、沖縄に核兵器が配備されることになった時代背景や国家の思惑を明らかにすると同時に、現場で実際に核兵器を扱っていた兵士たちの証言を集めること、そして、知らぬ間に核兵器と隣り合わせでの生活を余儀なくされていた沖縄の住民たちの状況を明らかにすることを重視した。

元アメリカ軍関係者への取材や部隊資料収集のため、在米リサーチャーである野口修司氏と柳原緑氏にも参加してもらった。日本とアメリカで話を聞いた関係者は100人以上に上り、機密文書、写真、映像など収集した資料はおよそ1500点に上った。

取材の成果は、NHKスペシャル『スクープドキュメント 沖縄と核』(2017年9月10日放送)とBS1スペシャル『沖縄と核』(2017年12月17日放送)という2つの番組に結実した。

番組では、住民の間近で行われていた核爆弾投下訓練の実態や、海兵隊と核兵器の知られざるつながり、さらには1959年に米軍那覇基地で起きていた核ミサイルの誤射事故など、これまで埋もれていた事実を世に提示することができた。

さらに、こうした一つひとつの「事実」や「出来事」の背後にある、ある種の〈構造〉も浮かび上がった。

次ページ配備されたのは1950年代半ば
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