「ビリ店長招いてCEOと会食」に問題はないのか ビジョンメガネが珍しい会食制度を導入した

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赤い看板が特徴的なビジョンメガネ(編集部撮影)

天国と地獄? 「トップ店長とCEO」「ビリ店長とCEO」の“会食制度”――。

全国110(2018年10月末)の店舗を運営するメガネ販売大手のビジョンメガネが、2019年4月から『天国と地獄? 「トップ店長とCEO」「ビリ店長とCEO」の“会食制度”』を導入したことを発表しました。

ビジョンメガネが報道各社に公表した資料によると、会食制度の概要は、次の通りです。

1.  トップ店長15人は、CEOとの1万円の豪華ディナーに招待される。全国3カ所程度で開催し、最寄りの場所に集合する
2.  ワースト店長15人は、1500円分の手土産を持って本社会議室(大阪府)に集まり、CEOを交えリベンジを誓う場とする

この制度について皆さんはどのように考えるでしょうか。何人かの友人知人に話を聞いてみました。

パワハラにあたるのでは?

経営者や会社役員を勤める人からは「面白い取り組みだ」とか「社内に団結力や適度な競争心を生み出すのではないか」という肯定的な意見が聞かれました。

一方で、社員の立場の人からは、「ビリ店長に選ばれたら恥をかかされるようで自分は嫌だ」とか「これはパワハラではないか?」とか「労働基準法に何らか反してはいないのか?」といった否定的な意見が目立ちました。

そこで、本稿において、本制度の合法性や、労務管理の視点からの問題点の有無について、社会保険労務士としての目線から分析してみることにしました。

まず、トップ店長とCEOの食事会については、法的に問題はないと考えます。

その理由としては、食事会の内容自体が褒賞的なものであること、およびビジョンメガネに確認したところ、任意参加の食事会であり、参加・不参加は人事考課にも反映されないからです。法的には、純粋に福利厚生制度と考えられます。問題がないだけでなく、モチベーションの向上や、社内活性化という効果も期待できるでしょう。

逆に、ビリ店長とCEOの食事会については、掘り下げて慎重に考察しなければなりません。

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