セブン「ドタバタ社長交代」に透ける王者の焦り コンビニオーナーは「新社長には期待せず」

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ただ、24時間営業を一気に縮小するわけではない。「加盟店の収益が落ちるのは大きな問題なので、シミュレーションしながら話し合うのが基本のスタンス」(永松氏)とする。2019年3月から、直営・FC合わせて12店で営業時間短縮の実証実験を進めている。営業時間を短縮すれば「売り上げは当然下がる」(永松氏)が、その結果を加盟店に説明し、そのうえで営業時間短縮を希望する加盟店と話し合いを進める方針だ。

拡大路線をひた走ってきた戦略の見直しにも着手する。出店数を大幅に縮小する一方で、既存店の強化を打ち出す。2019年度の国内出店数は、2018年度に比べて539店減となる850店を予定。これにより、2018年度616店純増から2019年度は100店純増に大幅に抑制する計画だ。

新店より既存店投資に資金を投下

他方、既存店への設備投資は積極化する。2018年度は年間の総投資額1100億円のうち62%を新店関連費用として投じたが、2019年度は総投資額1450億円のうち6割以上を既存店に投資する計画だ。セルフレジの全店導入などを進める。

変革路線を明確にしたセブン‐イレブンだが、関東地方の加盟店オーナーは「管理部門が長かった永松氏に、現場の苦しみが理解できるのか。その手腕には、まったく期待していない」と冷ややかだ。関西圏の加盟店オーナーも「40年近くオーナーの声を聞く姿勢がなかったのに、その体質を急に変えることができるのか疑問」と話す。

「現場の疲労感は溜まりに溜まっている」と、関西圏の加盟店オーナー。2020年2月期を最終年度とする3年間の中期経営計画では、当初は国内コンビニ事業で190億円の増益を計画していたが、既存店売り上げや粗利率が鈍化し、増益幅は80億円に縮小する見通しだ。

国内コンビニ事業の成長鈍化が目立っている中、画一的システムの限界を迎えつつあるセブン‐イレブンの問題を根本的に解決するには、まずは本部と加盟店との認識のズレを是正する徹底した姿勢が求められる。

遠山 綾乃 東洋経済 記者

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とおやま あやの / Ayano Toyama

東京外国語大学フランス語専攻卒。在学中に仏ボルドー政治学院へ留学。精密機器、電子部品、医療機器、コンビニ、外食業界を経て、ベアリングなど機械業界を担当。趣味はミュージカル観劇。

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