授業を見るわけですから、当然担任の先生も見ることになります。もちろん、これもとても大事です。多くの親が気にするのは先生の年齢で、ベテランだと少し安心するようです。でも、私の経験ではベテランだから大丈夫とか、若手だから心配などということはありません。指導力も含めて、人間力といいますか、人間性といいますか、そういったものが大事です。
参観日は、子どもの話に出てくる友だちを見ておくいい機会です。前日に友だちの名前をもう一度聞いて、その子たちの席のだいたいの場所も聞いておくといいでしょう。できたら、その子たちとあいさつや会話ができればいいですね。そうすれば、それ以降、子どもが友だちの話をしたときに、より鮮明にイメージしながら聞けるようになります。
さらには、その子たちの親御さんともあいさつや会話をするなど、顔なじみになっておければ最高です。そうすれば、その後いろいろな情報交換をしたりお互いの交流を深めたりすることもできます。
また、万一子ども同士の間でトラブルが起こったときも、フランクな話し合いができるので問題解決につながりやすくなります。顔も見たことのない状態のままトラブルが起こったりすると、「相手の親はどんな人なんだろう」とお互い疑心暗鬼になり、問題解決がしにくくなります。
教室の掲示物もぜひ見ましょう。特にわが子の物は絶対に見てください。参観日の前というのは、けっこう掲示物などの準備が大変です。それぞれの子どもが書いた「めあて」、図工の作品や習字など、かなり気合を入れて準備しますから、ぜひ見てあげて、家に帰ったら褒めてあげてほしいです。
最後に挙げたいのは、学校や教室に危険な箇所がないかチェックすることです。例えば、2階以上の教室や廊下で、窓際にロッカー、机、テーブル、掃除用具入れ、荷物などが置いてあると、子どもが乗って窓から転落する可能性があります。転落事故は大事故になりますので要注意です。天窓に乗って転落する事故も時々起こっています。
また、庇(ひさし)、バルコニー、吹き抜け、階段などから転落する子もいます。運動場に張ってあるコースのロープが浮いていると、そこに足を引っかけて転ぶ可能性があります。また、遊具による事故も多いです。
こういうことを書くと、「そんなのは学校の仕事でしょ」という声が聞こえてきそうですが、そう言わずに、ぜひお願いしたいと思います。というのも、もちろん学校の職員や先生たちも気をつけてはいますが、やはり人間ですから慣れによる見逃しというものがありえるのです。
親たちの新鮮な視点で見ることには大きな意味があります。そして、もし気になることがあったら、学校や教育委員会に伝えてください。学級委員を通して伝えてもらってもいいです。なんといっても、子どもの安全のためです。
参観日を「叱るきっかけ」にしない
最後に改めて強調したいのは、先ほども触れたように、参観日を叱るきっかけにしないでほしいということです。家に帰って、つい「もっとしっかり○○しなきゃダメでしょ」と叱ってしまった経験がある人は多いと思いますが、これは子どもには切ないことです。
子どもは、「自分は親にダメな子だと思われているんだ」と感じてしまいますし、自己肯定感も下がってしまいます。それに、口で叱っても、それで改善することはまずありません。
それよりも、家に帰ったら何でもいいのでとにかく褒めてあげましょう。まずは、「がんばってたね」とか「今日は学校での様子を見られてうれしかった」と言ってあげてほしいです。同時に、より具体的に「□□がよかった」とピンポイントで褒めてあげることも大切です。
そのためには、学校で子どもの様子を見るときに、「褒めるネタはないかな」という意識を持ちながらプラス思考で見るといいでしょう。褒められれば子どもはうれしいですし、さらに頑張るエネルギーも湧いてきます。そして褒めてくれる親のことが、ますます大好きになります。
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