ジワリきている「オレンジワイン」とは何なのか

ワイン発祥の地、ジョージアから渾身の1本

このクヴェヴリを使ったワイン造りは、伝統的なワイン製法として現在まで受け継がれていて、2013年にはユネスコの無形文化遺産に登録されました。地下セラーのような地下空間ではなく、地中に埋められ、その大地のナチュラルな温度下でじっくり熟成されたワインの特徴は、約半年という長い醸しを経た白ワインに顕著に出ています。ここに、近年日本でも知られるようになった、「オレンジワイン」の原点があります。

ここで、「赤ワインの醸しの期間が1カ月程度なのに、白ワインの期間は半年近くも?」「オレンジワインって何?」と疑問に思った方も多いはず。赤でも白でもロゼでもないオレンジワインとはなんでしょうか? 

白ブドウを使って赤ワインの製法で作る

もちろん、オレンジから造ったワインではなくてブドウから造られるのですが、簡単にいうと、オレンジワインとは「白ブドウで作る白ワインの一種」です。白ワインは通常、果皮や種子を取り除いてから醗酵させるのですが、赤ワインと同じように、醗酵時に果皮や種子を取り除かず、果汁と一緒に醗酵させると「オレンジワイン」になります。

つまり、白ブドウを使って赤ワインの製法で作ることによって、ワインに独特の風味が生まれるのです。また、色調も通常の白ワインとは大きく異なり、見た目にも濃縮感のある、オレンジがかった色合いとなります。これがオレンジワインと言われるゆえんです。ちなみに現地ジョージアでは、オレンジワインではなく、「アンバーワイン(琥珀色のワイン)」と呼ぶのが一般的です。

1990年代半ば以降、このジョージアのクヴェヴリ仕込みのワイン造りに注目したのがイタリアのワイン生産者たちです。特にビオディナミ農法の生産者が、より自然なワイン造りを追求していくなかで、このジョージアワインのスタイルに出合い、その製法を取り入れたワイン造りを始めました。その後ヨーロッパやアメリカにもこの傾向が広まって、今日のオレンジワインブームにいたります。

この数年でオレンジワインはかなり広まってきていて、東京や福岡、パリでもワインショップの目立つ場所には、必ずと言っていいほどオレンジワインが並んでいます。さらに、ジョージアやスロヴェニアといったオレンジワインの伝統国のものだけではなく、ニュージーランドやオーストラリアといったニューワールドのもののなかにもすばらしいオレンジワインを見つけられるようになってきました。

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