「東京」の不動産だけなぜか急騰している事情 不動産市況は非常に見通しにくい状況だ
こうした都心部中古マンション価格の波は、まず「千代田区・港区・渋谷区」あたりからスタートする。大ざっぱにいえば皇居を中心として、城南から城西そして城北・城東へと、時計回りに波及していく。同時に、東京で起きた波は次に神奈川へ、やがて埼玉・千葉へと波及していく。名古屋・大阪などの地方都市へは半年程度で効果が表れる。
ただしその波及効果は、前述の地価公示からもわかるように限定的で、都心3区が2012年の政権交代以降、中古マンションの成約単価を1.5倍程度に上げてきたのに対し、神奈川・埼玉・千葉は1.2~1.3倍程度である。
不動産は相対取引
ブレグジットや米中貿易戦争、選挙や消費増税を控え、株価や不動産市況には不透明感が漂い株価動向を占うのは困難であり、したがって不動産市況も見通しにくい状況だが、不動産は株式などと異なり、売り主と買い主による1対1の相対取引であることに留意したい。
同じ5000万円で売りに出ているマンションでも、ある売り主はそこからビタ一文引かないと考えているかもしれないし、5%程度の値引きには応じようと考えているかもしれない。今月はこの価格水準で売りに出すが、来月は一段下げようと考えていることもあれば、先に新築マンションを購入してしまい、今月中に売らなければと焦っている向きもあるかもしれない。
また買い主も、転勤や子どもの学校の都合に合わせてとか、親と同居することになった、資産ポートフォリオを不動産に振り向ける相続対策などの理由で、多少高くても購入する人もいれば、自身の相場観に合うなら買おうと思っている人もおり、不動産売買とはこうした個々の事情や思いが絡む、いわゆる縁ものだ。適切な条件交渉やタイミングを見計らうなどしてよりよい売買をしたいところだ。
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