――とはいえ、フェイスブックの個人情報流出や、欧州でのGDPR(一般データ保護規則)施行など、個人情報の扱いについて考えさせられる機会が特に昨年は多かったように思います。
彼らも世の中の動きは知っていると思う。ただそれよりも、自分の個人情報は1つの資産であり、それを活用して対価を得るという意識が強い。
私はGDPRに対して批判的だ。EU(欧州連合)の政治家たちが想定していなかったようなネガティブな副作用がある。企業は消費者にとっての執事、コンシェルジュであるべき時代が来ていると思っているが、たとえば消費者の嗜好や興味に沿ったマーケティング広告を配信するために個人情報を取得するうえで、企業は同意を取らなければならない。こうしたコンプライアンスのコストは大きな負担だ。
EUの政治家たちの間ではアメリカのスタートアップやテック企業に対抗するという姿勢が強い。GDPRの大きな動機は、欧州のスタートアップを守ることだったはず。それなのに、コンプライアンスのコストが高まり、欧州の企業さえそれに苦しめられている。コストの上昇はサービスの値上げという形で消費者に跳ね返ってくる。「データ保護は消費者の権利」と標榜しているが、はたして本当に消費者を考えて作った規制なのかというと疑問だ。
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