GAFAを縛る「データ保護規制はナンセンス」だ ニューヨーク大教授が語るデータ活用の極意
企業はデータをどう生かすべきか
――スマートフォンが普及し、ネット上の閲覧履歴や位置情報などから、購買動向に深く関係する消費者の興味・嗜好が精緻に分析できるようになりました。企業にはどのようなスキルが求められるのでしょうか。
小売りでも、銀行でも、製造業でも、メディアでも、製薬でも、何かを売っている会社であれば、消費者のデータ活用は必須になる。データサイエンスやビジネスアナリティクスといった知見やスキルが求められる。日本はもちろん、アメリカや中国、インド、韓国などの国では専門の学部やコースが続々と生まれている。
――とりわけ先進的な業界を挙げると?
小売りや金融、メディア、ホテルや航空といったサービス業は(データ活用が)だいぶ進んできた。一方で製造業やエネルギー、インフラ関連の企業は進みが遅い。基本的にBtoBのビジネスを主体とする企業がBtoCよりも5年ほど後れを取っている。
先進的な企業はすでにあらゆる意思決定をデータに基づいて行っている。経営陣の属人的な勘や経験に頼った直感的なものではなく、必ずデータに立ち返るようになっている。商品・サービスの価格決定、マーケティング、収益管理、サプライチェーン、人事など、データはあらゆる領域に生かされる。
そうした企業に共通するのは、スマホ起点の膨大なデータの可能性に気づいたCMO(最高マーケティング責任者)やCIO(最高情報責任者)など、経営陣が強いリーダーシップと先見性を持っていたこと。データを分析すると、消費者行動の変化もわかり、戦略をうまく描けるようになる。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら