若手が敬遠する「50代後半社員」の独善的な言動 昔の武勇伝やヤンチャ話なんて聞きたくない
私がいた会社の場合、57歳のヒラ営業が担当するクライアントというものは、さほど会社にとっては重要ではない相手であり、扱い額が少ないうえにルーティンでこなせるような業務だったりする。
だからこそ、プランニングの部署では最若手で実績がない私が任されていたのだが、この人がとにかくかつての豪華海外出張の話ばかりするのだ。そして「キミたちはバブルの頃のことを知らないでかわいそうだね」なんてことを言う。
正直、クライアント企業にとっても「こんな爺さん寄越すんじゃなくて、もっと若くてイキのいいヤツ連れてきてくれよ」なんて思っているのはわかるのだが、そこまで重要でもなく難易度も高くない仕事のため、大幅なミスはしない。
しかし、外注先の立場ながら「○○君」なんてクライアントに対して言ってしまうこのオッサンからは「老害臭」が漂いまくり。いつしかクライアントの若手担当者と私の間で、そのオッサンを疎んじる妙な連帯感が生まれたりしたのである。
若手から嫌われないための所作
一方、別の定年間近の営業Aさんと組んだこともある。このAさんからは「老害感」は一切なかった。プランナーとしての私を尊重してくれ、「中川の発想力に期待してるからね」などと励まし、クライアントに関する参考資料や、企画に役立つであろう新聞記事などを私のデスクにまで持ってきてくれた。
「Aさん、電話いただければオレが伺ったのに」「いやいや、オレのほうが暇だろうし、中川にいいアイデアを考えてもらうには、これぐらいやらなくちゃ」
つねにこんな感じだった。また、私たちがクライアントの会社近くを歩いていたとき、どうしても高いところを歩きたくなった。そこで歩道ではなく、花壇の縁に上がってバランスを取りながら歩いた。Aさんには年下の上司・X氏がいたが、その日はそのX氏も一緒だった。
後にAさんと2人でクライアントのところに行ったところ、「中川さ、今度Xがいるときはさ、花壇の縁のところを歩かないでくれないかな」と言った。
理由を聞いたところ「あのさ、Xがさ、『クライアントの近くであんなことをするなんて失礼なヤツだ』って怒ってるんだよ。いや、オレは中川のそういうところは若くていいな、と思ってるんだけどさ。オレと2人のときはいいけど、Xと3人のときは頼むな、ナッ」と言った。
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