元格闘家、古木はもう野球をあきらめたのか トライアウト2年連続挑戦した古木は今……?

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そして、2011年11月、古木は12球団合同トライアウトを受ける。

古木は3本のヒットを放った。2年のブランクを感じさせなかった。2009年に戦力外通告を受けたときとは、バッティングが違っていると自分でも感じていた。しかし、古木に声がかかることはなかった。古木は、それでも野球をあきらめることができなかった。とにかく、もう一度プレーしたかった。その自信もあった。

プロ野球の支配下登録の期限は7月末である。古木は、わずかな可能性にかけて、毎日、ひとりで練習をしながら、オファーを待った。しかし、そのわずかな希望もかなわなかった。

2012年11月、古木は、合同トライアウトの場に姿を現した。2年連続の挑戦。しかも、2009年に戦力外通告を受けたときにもトライアウトに挑戦しているため、通算では3回目のトライアウト挑戦であった。そんな古木は参加選手中でいちばんと言ってもいい、大きな注目を集めた。

横浜で4番を打ったこともある実績。格闘技に転身し、デビュー戦は大晦日のゴールデンタイムで全国に放送された話題性。そして球界へ再挑戦し、トライアウトを受けて夢かなわなかったにもかかわらず、また、2年連続でトライアウトに挑戦してきた根性……。

仙台・楽天イーグルスで行われていた、このトライアウトで、古木が打席に立つたびに大きな声援が飛んだ。しかし、与えられた6打席の中で、古木は1本のヒットも放つことができなかった。

ハワイでの再出発

さすがに、もう野球はあきらめるのか・・・。誰もが、そう思っていたが、古木は違っていた。

NPBにこだわらず、独立リーグも含めて、自分を受け入れてくれるチームを探しまくった。そして春を迎えた頃、知人の紹介で、アメリカの独立リーグ、パシフィック・アソシエーションに属するハワイ・スターズの入団の話が古木の元に寄せられた。

古木は入団テストを経て、2013年6月、ハワイ・スターズの一員となった。それは、独立リーグながら、2009年10月にオリックスから戦力外通告を受けて以来、3年半ぶりの球界復帰であった。

ハワイ・スターズは、ハワイ島のヒロという田舎町を本拠地とするチームで、決して恵まれた環境ではなかった。チームメイトも、もと3Aの選手から地元の大学生まで、そのキャリアもバラバラだった。住む場所はチームが用意してくれたが、その部屋は4人住まいのシェアハウスだった。

そんな条件のもとだったが、古木は野球が出来る喜びを感じていた。古木はチームの主軸としてシーズンを活躍し、54試合で打率.307、2本塁打 打点39の結果を残した。

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