東京五輪ゴルフ会場で開催1年半前に残る不安 霞ヶ関カンツリー倶楽部・東コースが公開

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最後に話題となったのはチケット。価格帯は「予選7000円、決勝1万円」と発表されているが「販売数が今の焦点」(中村局長)だという。暑さ対策、輸送問題が解決しないことには「何人の観客を入れていいかわからない」ということなのだろう。

「検討中」というので、チケットが重要な収入源なのはわかるが「子どもたちへのチケット」について聞いた。ほかの競技は席数が決まっている会場が多い。ゴルフ場は中村局長も言うように、席数が決まっていない。

せっかく世界中のトップ選手が集まるのだから、子どもたちに見せたい。ゴルフ人口減少というゴルフ業界の大命題がある中、多くの子どもたちにゴルフに触れてもらう絶好の機会だ。学校単位、学年単位でもいい。

組織委員会は、1枚2020円で販売予定の12歳未満の子どもなどのグループを対象にした「東京2020みんなで応援チケット」や、全国の小中高生を対象とした学校連携観戦プログラム(1枚2020円)などを販売する予定だ。

こういった、より多くの子どもたちが観戦できるようなチケットもあるので、ゴルフでは積極的に活用するのもよいだろう。

子どもにも見てもらいたいが課題も残る

「学校観戦チケットを検討中で、1人でも多くの子どもたちに見ていただきたいと、各自治体とも相談している。暑さのこともあり、検討中」(中村局長)という。

会見に地元川越市出身で女子プロ界のレジェンド、樋口久子プロも出席した。「子どもたちが世界のトップ選手を見られる機会は少ない。ゴルフを始めるきっかけになるかもしれない。そのためにはオリンピックという舞台で日本選手に活躍してもらわないと。卓球でもフィギュアスケートでも日本選手が活躍して、それを見て子どもたちが育ってくる。メジャー大会はゴルフの祭典ですが、オリンピックはスポーツの祭典ですから」。

それも「暑さ対策」「輸送対策」がなければ始まらない。開催まであと1年半を切っている。正直「具体策がまだで、大丈夫なの?」と疑問が多く残った。「決まっているけど、まだ明かせない」ということを祈りたいほど。2つの課題を解決しないことには「オリンピックでゴルフを見られてよかった」にはならない。

赤坂 厚 スポーツライター

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あかさか あつし / Atsushi Akasaka

1982年日刊スポーツ新聞社に入社し、同年からゴルフを担当。AON全盛期、岡本綾子のアメリカ女子ツアーなどを取材。カルガリー冬季五輪、プロ野球巨人、バルセロナ五輪、大相撲などを担当後、社会部でオウム事件などを取材。文化社会部、スポーツ部、東北支社でデスク、2012年に同新聞社を退社。著書に『ゴルフが消える日 至高のスポーツは「贅沢」「接待」から脱却できるか』(中央公論新社)。

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