暑さに弱いのは人間だけではない。芝も同様だ。昨夏は暑さで、「芝が焼ける」と言われる、とくに短く刈っているグリーンの芝が枯れるコースが全国で多く見られた。
オリンピックとなれば、グリーンでのボールの転がりを速くするため、ギリギリまで芝を刈るので、一層暑さの影響を受けやすくなる。
「まだIGF(国際ゴルフ連盟)から具体的な指示はありません。去年は多少傷みが出ました。2週間コンディションをもたせるのに、いまのところは特別な管理、手段はとっていません」と霞ヶ関CCのグリーンキーパーを務める東海林護さんは話した。男女の練習ラウンドも含めて、猛暑の中で2週間維持するのは困難な作業だ。
輸送の問題も具体策を聞けなかった。観客については公共交通機関の利用を最優先にする。最寄のJR川越線笠幡駅から徒歩15分ぐらいなのだが、単線で通常の本数は少ない。都内から「オリンピック列車」でも走らせないことには、2万人以上をスタート時間7時半(予定)に間に合わせることは無理だろう。
ほかに私鉄駅があるが、こちらは20~30分ほどのバス輸送になる。コース周辺の道路は片道1車線の生活道路でもあり、通常でも渋滞がある。周辺住民の生活を優先しないといけないので、ルートの確保は難しそうだ。
選手の輸送についても検討段階
「選手には(東京都中央区にある)選手村への宿泊をお願いしたい」(立石泰隆・東京2020組織委員会ゴルフ競技スポーツマネージャー)というので、選手の会場入りが大きな問題だ。霞ヶ関CCの最寄は圏央道鶴ヶ島ICから5㌔、約8分となっている。「(高速道路に)専用レーンを設けるか、車の通行量を減らすか、まだ決まっていない」(中村局長)と、こちらも具体策を聞けなかった。
個人差はあるが、選手はスタートの2時間ほど前にはコース入りするのは普通。交通量が少ない時間帯ではあるが、先述したコースの周辺道路が少なく狭いのをどう工夫するのだろう。
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