有料会員限定

〈インタビュー〉ハウステンボス髙村社長 「不便だからこそ目指せる」、古巣TDLと異なる事業モデル

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

有料会員限定記事の印刷ページの表示は、有料会員登録が必要です。

はこちら

はこちら

縮小
髙村耕太郎社長
ハウステンボスの髙村耕太郎社長。オリエンタルランドには1998年に入社し、経営戦略部長や執行役員経営戦略本部副本部長を務めた。2023年10月にハウステンボス社長へと転身(撮影:梅谷秀司)
長崎県佐世保市にあるテーマーパーク「ハウステンボス」。2022年にアジア系の投資会社「PAG」が経営権を取得、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)の再建などで知られる森岡毅氏の率いる「刀」(大阪市)がブランディングや運営支援を行っている。
2023年10月からハウステンボスの経営を舵取りするのが髙村耕太郎社長だ。オリエンタルランド出身で、東京ディズニーシーの「ファンタジースプリングス」の開発などに携わった経験を持つ。再成長に向けた戦略を聞いた。

――オリエンタルランド(OLC)では執行役員経営戦略本部副本部長を務めるなど、経営の中枢にいました。転職した理由は?

PAGに声をかけてもらったというシンプルな話ではあるが、50歳を迎えるに当たって、大げさだが今までの経験を社会にどう還元していくかを考えた。

前職はいわゆる都市部でのテーマパーク業。こういった業態を地方都市で成功させ、地域経済の活性化にも結びつけていくのは、プロジェクトとして面白く、自身の楽しみにもつながる。

成功させることができたら、今なかなか未来を描きにくい地方に大きなインパクトを与えられるという意義も感じた。都市部のテーマパークだったら転職していなかったと思う。

「やっちゃいけないこと」がわかっている

――OLCでの経験をどう生かしていますか。

詳しくは申し上げないが、向こう(東京ディズニーランド=TDL)が収益を出すところも含めてポイントは、長くいたのでわかっているつもりだ。

ただ、TDLやUSJとハウステンボス(HTB)を比べたとき、見た目はテーマパークで似ているが、事業モデルがまったく違う。言い方が難しいが、「やっちゃいけないこと」はよくわかっている。

いちばん大きな違いはマーケット構造だ。周辺人口が少なく、リピーターで集客を下支えすることができないところが圧倒的に異なる。労働力を確保していく観点でも周辺のリソースが極めて少ない。

今までの経営は、TDLやUSJをベンチマークに似たようなことをやってしまって、なかなか結果に結びつかなかったことが多分たくさんあったのだと思う。

次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD