〈インタビュー〉ハウステンボス髙村社長 「不便だからこそ目指せる」、古巣TDLと異なる事業モデル

――オリエンタルランド(OLC)では執行役員経営戦略本部副本部長を務めるなど、経営の中枢にいました。転職した理由は?
PAGに声をかけてもらったというシンプルな話ではあるが、50歳を迎えるに当たって、大げさだが今までの経験を社会にどう還元していくかを考えた。
前職はいわゆる都市部でのテーマパーク業。こういった業態を地方都市で成功させ、地域経済の活性化にも結びつけていくのは、プロジェクトとして面白く、自身の楽しみにもつながる。
成功させることができたら、今なかなか未来を描きにくい地方に大きなインパクトを与えられるという意義も感じた。都市部のテーマパークだったら転職していなかったと思う。
「やっちゃいけないこと」がわかっている
――OLCでの経験をどう生かしていますか。
詳しくは申し上げないが、向こう(東京ディズニーランド=TDL)が収益を出すところも含めてポイントは、長くいたのでわかっているつもりだ。
ただ、TDLやUSJとハウステンボス(HTB)を比べたとき、見た目はテーマパークで似ているが、事業モデルがまったく違う。言い方が難しいが、「やっちゃいけないこと」はよくわかっている。
いちばん大きな違いはマーケット構造だ。周辺人口が少なく、リピーターで集客を下支えすることができないところが圧倒的に異なる。労働力を確保していく観点でも周辺のリソースが極めて少ない。
今までの経営は、TDLやUSJをベンチマークに似たようなことをやってしまって、なかなか結果に結びつかなかったことが多分たくさんあったのだと思う。
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