仕事のできない人は「勘」の力をわかってない 論理的思考は大事だがそれだけでも不十分だ

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仕事は勘を頼りにしてはならない?(写真:LFO62/PIXTA)

例えば社会人になったばかりの頃などに、先輩や上司からロジカルシンキング(論理的思考)の重要性を強調された、というような経験は誰にでもあるのではないだろうか。仕事をするうえではデータや数字に基づいて物事を論理的に考えることが重要であり、決して勘を頼りにしてはならないという考え方である。

ロジカルだけではなく「ひらめき」も必要

ある意味で、それは当たり前すぎること……というより私たちの多くは、それが当然だと思い込んできた節がある。しかし、そのような考え方に疑問を投げかけているのが、『右脳思考』(東洋経済新報社)の著者、内田和成氏だ。

特にコンサルティングの仕事をしていると、論理的な見方・考え方、そしてデータや統計などの数字を示す説得の方法を徹底的に叩き込まれる。
20年以上、ボストン コンサルティング グループ(BCG)に在籍し、日本代表を務めた経験もある私は「叩き込まれた側」でもあるし、「叩き込んだ側」でもあるので、このことは身に染みてわかっている。(中略)しかし、長年のビジネス経験から言えるのは、ビジネススクールの教科書に書かれている知識だけでは不十分であるということだ。
経営コンサルタントの仕事を通じて優れた経営者から学んだことは、彼らは経験や直感をとても大切にしているということである。(3〜4ページより)

ただロジカルに考えるだけでは足りず、そこには「ひらめき」の類いも求められるべきだということである。そのため本書において内田氏は、感覚・感情、直感、勘など、論理(ロジック)では説明できないひらめき・思いつき・考えを総称して「右脳」としている。

そして、それに対する左脳とは、ロジック(論理)そのもの、あるいはロジックで説明できるものだ。

とはいえ内田氏はここで、ロジカルシンキングを否定しているわけではない。ロジックだけではなく、勘や感情など、つまり右脳を働かせれば、仕事をより効率的に進めることができ、成果も上げられると主張しているのだ。

その点を踏まえたうえで、仕事でなにかの問題を解決する状況について考えてみよう。

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