仕事のできない人は「勘」の力をわかってない 論理的思考は大事だがそれだけでも不十分だ
仕事でなにか問題が起きたときには、課題を明らかにして解決策を策定し、実行に移すことになるだろう。とはいえ解決策はいきなり生まれるものではなく、そのための準備作業が欠かせない。
インプットを検討・分析し、アウトプットする
内田氏が「インプットステージ」と呼んでいる第1ステージは、「そもそもなぜ問題が起こったのか」を調査し、「そこにはどんな課題があるのか」を整理するプロセス。ここで求められる仕事は、現状分析や情報収集、あるいは課題に対する仮説づくりだ。
次いで第2ステージで行うべきは、見つかったいくつかの課題のなかから、「なにが真の課題であるか」を明らかにすること。そのために情報を分析したり、課題を整理し、方向づけしたり、意思決定を行う前段階として代替案を整理することになる。内田氏の言葉を借りれば、この段階は「検討・分析ステージ」である。
そして、最後の第3ステージにおいてすべきことが「意思決定」。前段階で抽出された代替案を採用するか否かを決める、あるいは複数ある代替え案のなかから、どれを選ぶのかを決めるということだ。その決定に基づいて、「組織内にどう伝えるべきか」「外部の顧客や取引先にどう伝えていくか」を考え、実際にコミュニケーションをとるわけだ。
また、実際のアクションをとって問題解決を図っていく、すなわち「実行」も重要な要素だ。本書においてこれら第3ステージは、「アウトプットステージ」と総称されている。
この考え方に関しては、無視できない重要なポイントがある。まずは、インプットステージ(第1ステージ)とアウトプットステージ(第3ステージ)では、右脳が極めて重要な役割を果たすということ。
その一方、検討・分析ステージ(第2ステージ)においては左脳で考えるロジカルシンキングがカギを握るということだ。
右脳から始まり、左脳を使い、右脳に戻るというルート。すなわち、左脳を右脳でサンドイッチする形になるわけである。そこで、それぞれのステージについてさらに確認したい。
最初のインプットステージで行うべき問題把握、課題発見において重要なことは「事実確認」。データを眺めて問題を発見するという方法があるものの、多くの場合は現場を見たり、従業員の士気に課題を見いだしたり、顧客の行動に疑問を感じたりと、個人の感覚が出発点となるケースが多いという。
すなわち、「右脳の世界」だ。内田氏はこれを、「観・感・勘」を使うことだと表現している。
まずは観察する段階が「観」であり、次は、そこからなにかを感じ取る「感」、そして最後が「なんかおかしい」「これは面白い」などという意識が働く状態である「勘」だというわけだ。
この「観・感・勘」は、インプットステージのアウトラインをイメージするためには有効だろう。
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