週刊東洋経済 最新号を読む(5/23号)
東洋経済オンラインとは
ライフ #礒部公一のプロ野球徹底解説!

広島カープの「キャンプ戦略」は何が違うのか 14年前の楽天、初の本拠地開幕戦も振り返る

8分で読める
2/4 PAGES
3/4 PAGES
4/4 PAGES

周囲を見て、「こんなに寒いのにこんなに多くの観客の皆さんが来てくださったんだなぁ、うれしいなあ」「そういえばまだヒットも出ていないので、ファーストストライクは絶対に見逃さずスイングしていこう」などと頭の中で考えるだけの余裕があったのを覚えています。

そして初球。外角へのストレートが来たのでスイングし、いい感触を残して打球はレフト、ポール際へ。手応えはあったので、一塁に走りながら「切れるな! 入れ!」と心で叫びましたが、ホームラン性の打球はファウル。打席に戻りながら「やはり今年はダメなのか、持ってないな……」とバットを拾い、次の投球に備えました。

カウントは進み、3−2。試合開始直後で先頭打者ということもあり、西武バッテリーはストレートを選択するのではと感じていました。

運命の1球。

やはり来たのはストレート。それも私自身がいちばん得意としていたインコースの甘め。フルスイングした打球は、センターバックスクリーンへ一直線に吸い込まれました。

なんと私自身の楽天での初ヒットは、ホームランだったのです。しかも楽天としても、記念すべき第1号ホームラン。ダイヤモンドを1周するときは、これまでに感じたことのないような、こみ上げるような感動に満たされました。本当にうれしかった!

本拠地開幕戦は記憶にも記録にも残る試合だった

もっとうれしかったのがチームもこのホームランで勢いづき、本拠地開幕戦を16対5とこの試合を快勝したことです。記念すべき本拠地開幕戦は、私自身にとってはもちろんのこと、当時のファンの皆さんにとってもきっと記憶に残る試合になったに違いありません。

実は今でも楽天生命パーク宮城のバックスクリーンの前にあるフェンスには、この球団初ホームランを記念した、私の名前入りプレートが埋め込んであります。楽天生命パークに行かれる方はぜひ、見てみてください。

初ホームランを記念したプレートが埋め込まれている。左写真がプレートを拡大したもの(写真:筆者提供)

こうしてスタートした楽天ですが、このあと私は選手として5年、その後コーチに就任して8年を過ごし、2017年に退団して今に至ります。どこかでお話ししたとおり、いったん消滅してしまった近鉄バファローズの記憶とは違い、まだまだ楽天での記憶は一本の延長線上にあり、振り返るには熟成されていないような気もします。

ここでいったん私の半生の振り返りは終わりにして、いつかどこかで追々、ご披露できる日がくるのを私自身も楽しみにしています。

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

ライフ

人気記事 HOT

※過去1週間以内の記事が対象