これは自分のプレーヤー時代を振り返った経験談だけではなく、多くの選手をコーチとして育成していく中で感じたことでもあります。同じ指導をされるのでも、勝っているとのみ込みが早い(笑)。気持ちよく受け入れたら、次の試合に即生かせる。こうして“勝ちパターン”は生まれてきます。
練習試合の中で起用されている若手選手も、いいアピールができているようですね。野手のほうに目を向けると、4年目のオコエ選手や新人の渡邊選手がホームランを放つなど、一軍生き残りを懸けてチーム内での争いも激しくなっているのではないかと思います。
新外国人で4番候補として獲得したブラッシュ選手も豪快なホームランを放ち、初めての日本でのキャンプを順調に進めているようです。
昨年は外国人選手陣が機能せず、得点力低下の原因になったのは事実です。ブラッシュ選手が浅村選手とクリーンアップを組み、大暴れしてくれれば楽天の上位進出も可能になってくるでしょう。
昨年は開幕直後からチーム全体で打撃の状態が上がらなかったので、その反省を生かして今年は野手陣(打撃陣)でチームを引っ張ってほしいですね。
これからオープン戦に入っていきますが、一昨年のような強力打線をつくり上げるべく頭と体をフルに使って実戦に臨んでほしいと思います。
14年前の楽天イーグルス、本拠地開幕戦
それでは恒例となりました、私の半生の振り返りの続きです。
楽天イーグルスの開幕戦は勝利したものの、そこから4連敗し、私も15打数無安打と大スランプのまま仙台に戻り、ホームでの開幕戦を迎えることになりました。
私自身、繰り返すようですが不調のどん底でした。正直なところ「もしかしたらスタメンを外れることにもなるのではないか……」と思っていました。ですが当日に田尾監督から「打撃の状態も良くないことだし、仙台のいちばん最初の打席はおまえに立ってもらいたい」という話があり、その日の打順はなんと1番!で西武戦に臨むことになったのです。
試合前の練習では、前の5試合の感覚とは違い、なんとなくイイ感じでバッティング練習を行うことができたので、「絶対、今日はイケる!」と自分自身に言い聞かせて試合に臨みました。
当日(2005年4月1日)、仙台は非常に寒く、試合開始時の気温は1℃ほど。
楽天の先発・岩隈投手が初回を0に抑え、いよいよ1番打者として仙台での初打席を迎えることになります。西武先発は2年目の岡本投手。
打席に入ると、意外と冷静な自分がいました。
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