広島カープの「キャンプ戦略」は何が違うのか 14年前の楽天、初の本拠地開幕戦も振り返る

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現在レギュラーをつかみ取っている選手は生え抜きの選手ばかりで、ドラフト戦略や広島の伝統である豊富な練習量をもって、FAなどでの他球団からの移籍に頼らずとも、十分に自前で有能な選手を育てています。

丸選手のようにFA移籍されても、それを補うだけの選手を育成できているから、選手層が厚く、戦力ダウンに見えないところがカープの強さです。

田中選手、菊池選手、會澤選手らも近々FA権を取得しますが、それに代わる選手として、3年目の捕手・坂倉選手や今年入団した小園選手らをその後釜として育成していきます。たとえこの中の誰がFAで移籍したとしても、当面はセ・リーグで常勝軍団として優勝争いに加わってくるはずです。

私は広島出身です。子どもの頃からカープを間近で応援してきましたが、昔に比べると本当に強くなりました。しみじみそう思います。

古巣・楽天のキャンプはどうか

私の古巣・楽天は、1次キャンプの久米島から2次キャンプを行う沖縄本島の金武町へ移動しました。

昔はキャンプでの練習は久米島のみで、対外試合が行えず、他球団と比べて試合形式の実戦練習が少なかったのですが、近年は2次キャンプを金武町で行うことで、早い時期から対外試合を行うことができます。また、試合に行かなくても金武町のグラウンドにて個別で特守や特打などを行えるので、選手の調整がスムーズで楽になりました。

本島に移動して2月21日現在で楽天は5試合の練習試合を行い、結果は1勝4敗。楽天もこの時期は若手中心のメンバーで試合に臨むことが多く、例年であればあまり勝敗は気にしない、というのが通例ではあるのですが、今年は監督も平石氏になりましたし、心機一転、チームとして勝ちにこだわりながら練習試合やオープン戦をこなしてほしいものです。

たとえ練習試合でも、この時期から勝ち続けているとメンバー全員に“勝ち”のイメージがついてきますし、勝ち試合の中では選手がどうやったら勝てるのか、こうなったから勝てたなど、ケーススタディーがしやすいです。負け試合であればただの反省にとどまってしまうのですが、勝った試合を振り返るほうが、たとえゲーム中に自分のミスがあったとしても、素直に受け入れられるものです。

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