PDCAがAI時代では「オワコン」な根本理由

いま米国の優良企業が重視する「OODA」とは

ミッションを達成するために必要な最低限の資源、権限を現場に与え、そのなかで自らの責任の下でミッションを達成せよ、という一種の契約がOODAループの背後に存在します。PDCAサイクルの場合、上司の現場介入は普通であり、完全に担当者に任せるということはあまりありません。OODAループの場合、一度現場に任せれば、そこから先は上司は口出ししません。

優れた上司であっても、口出しすることは、一種の魚を与えることであり、魚の釣り方を教えることにはなりません。しかも、多くの場合は、上司が口出しすれば現場は混乱するだけであり、百害あって一利なしとなります。

したがって、上司と部下、あるいは、現場担当者間での相互信頼が重要な要因となります。これがなければOODAループは機能しません。

組織で高速OODAループを回す

少し古い話になりますが、OODAループの成功事例として、2013年の第47回スーパーボウルで最も大きな成功を収めたクッキーのオレオのケースがあります。

スーパーボウルはアメリカでも最も人気の高いスポーツイベントです。テレビの高視聴率ランキングでもスーパーボウル関連の番組が上位を占めています。企業にとっては広告宣伝の大きなチャンスで、テレビCMの料金は400万ドルを下りません。

この試合の第3クオーター中に34分もの停電が生じるというアクシデントが起こりました。オレオはこの機会を生かし、「停電? 大丈夫さ」というツイートとともに、スポットライトの当たったオレオの画像に「暗闇でもダンクすることができる」(You can still dunk in the dark.)というキャプションをつけたのです。

オレオはクッキーを2つに割り(twist)、中にあるクリームを舐め(lick)、ミルクにつけて食べる(dunk)という「twist, lick, and dunk」をキャッチコピーとしています。ミルクに浸すダンクという動作は、停電中の暗闇でもできるというこの当意即妙なジョークは、1万5000件近くのリツイートと2万件以上の「いいね」を誘発しました。それは、膨大な広告費用のかかるテレビCM以上の宣伝効果を生み出したことになります。

実はそのとき、コピーライターやアーティストなどから構成される15人のソーシャルメディア・チームが存在していました。スーパーボウルの試合中、彼らはオンラインで待機し、10分以内であらゆることに現場対応できる態勢をとっていました。つまり、これは偶然の産物ではなく、状況の変化に即応できる組織的な体制を事前に整備していたのです。

最近では、新製品の評判や広告効果について、ツイッターやフェイスブックなどのSNSからリアルタイムで情報を収集し、得られた情報に基づき迅速に対応していくことや、ネット上で自社製品・サービスに対するクレイマーを見つけると、担当者が個別に対応していく、ということは多くの企業ですでに取り入れられつつあります。

その際、具体的なアクションをとるために、複数の上司の決裁印がなければ動けないということでは適切なタイミングを逸してしまうことになります。そこでは現場担当者の即断即決が求められます。

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