PDCAがAI時代では「オワコン」な根本理由

いま米国の優良企業が重視する「OODA」とは

PDCAサイクルが機能するのは、計画立案者が必要な情報を持っている場合、すなわち、不確実性が低い定型的業務に限定されます。例えば、大枠での目標(=ミッション)が与えられたとしても、それをどう達成すればよいのかわからない場合、計画など立案しようがありません。そこで求められるのは情報収集活動であり、得られた情報をもとに試行錯誤を続けていくことです。

基礎研究や新規事業開発をゼロベースで行っている場合、現場でPDCAサイクルを回すことはほぼ不可能でしょう。日本企業のなかには、そのような現場でもPDCAサイクルが重視され、形ばかりのPDCAサイクルが儀式のように実施されているところもあります。しかし、実際には現場で実験、試行錯誤が繰り返され、死屍累々の結果のなかで何とか一筋の光を求めて悪戦苦闘しているのが実情でしょう。

OODAループとは?

アメリカ海兵隊で採用され、湾岸戦争など現代戦で顕著な成果を上げているのが、OODAループと呼ばれるものです。これは、観察(Observe)、情勢判断(Orient)、意思決定(Decide)、行動(Act)という一連の活動から構成されます。観察とは情報収集のことであり、情勢判断は、収集された情報の解釈を行うことです。その解釈にもとづいて現場で何らかの意思決定を下し、実行に移されます。

OODAループがPDCAサイクルと異なるのは、計画を出発点としていないという点です。もちろん、大枠でのミッションは与えられています。しかし、そのミッションには、それを達成するための手段は明示されていません。上司からその方法論について指示を受けることもありません。

ミッションを遂行する者は、自発性、創造性を駆使して、ミッション達成のための手段を発見し、即座にそれを実行しなければなりません。ここがPDCAサイクルとの決定的な相違点になります。

次ページ一度現場に任せれば、そこから先は上司は口出ししない
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