日本に「女性のリーダー」が生まれない深刻理由

「女性に意欲がない」というのは本当なのか

一方で、女性リーダーにとって「温かみや好感度」の欠落は致命的だ。「冷たい」印象の女は「怒っている」と捉えられやすく、批判を浴びやすい。トランプ大統領がどんなに人をバカにしたような横柄なコミュニケーションをしようが問題にならないが、ヒラリー・クリントンが声を上げて叫べば、「ヒステリックだ」とバッシングにあう。

男性のように強く出ようとすると、女性は制裁を受ける。イエール大学の研究では、自己主張をよくする男性CEOは、しないCEOより「仕事ができる」と評価される率が10%高かったが、よく自己主張をする女性CEOは、しない女性CEOより14%評価が低かったのだそうだ。

スタンフォード大学の研究では、昇給を交渉する、隣人に音楽の音量を下げるよう依頼するなど、男女ともに同一の自己主張的な行動をした場合、女性は平均して男性よりも大きく評価を落とすことがわかった。

女性に対して許容範囲が狭い

つまり、女性が男性と同じように自分を前に押し出そうとすると反発を受けやすいということだ。もう1つの問題は、「温かみ」を女性が強調すると、弱々しい、威厳がないとこれまた批判されてしまうことだ。

女性リーダーは図のように「温かすぎても、冷たすぎてもダメ」というダブルバインド(二重拘束)と呼ばれる制約の中でのコミュニケーションを強いられるということだ。強すぎても弱すぎてもダメ。許容値、つまり、スイートスポットが狭いのである。

こういう状況をフェイスブックの女性COO、シェリル・サンドバーグは「女性が職場で話すとき、まるで綱渡りをしているようなものだ。一方に転べば、まったく耳を貸してもらえない。もう一方に転べば、攻撃的すぎると批判される」と指摘している。どちらに振れても「アウト!」という状況なのだ。

こうした視点で女性国会議員を見たときに、スイートスポットにすっぽり入るバランスの取れた人がいない、もしくは目立たない、という現実がある。

2月10日にアップされた雑誌『FLASH』のウェブ版に、「女性政治家たちが着物で大集合するも『スネに傷あり』すぎて」という記事が掲載された。通常国会の開会日に、超党派の「和装振興議員連盟」の女性国会議員が色鮮やかな着物を着て、ニコニコとほほ笑んでいる。

文中で男性ジャーナリストのコメントとして、「自民党から女性総理が誕生するかと聞かれれば、懐疑的と言わざるを得ません。自民党の体質は『男社会』。女性議員が出世するためには、男性に媚びることが必要なんです」とある。その言葉どおり、写真から漂うのは、どこかの芸能プロダクションの晴れ着撮影会のような「男性目線を意識した」パフォーマンスである。

自民党の女性議員は全員、ピンクのスーツを持つという暗黙のルールがあるという都市伝説を聞いたことがあるが、まさに「オジサン社会」の中で、「女を武器にオジサンのご機嫌をとり、転がして這い上がってきた感」満載な人が目立つのである。一方で、野党の女性議員はというと、いつも怒気に満ち、ヒステリックに叫んでいる印象が強い。

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