つまり、現在の女性国会議員を大きく分けると、「上目遣い系」か「上から目線系」のこの2つの極端なタイプによって大勢が占められているようにみえるのである。「ゆるフワ女子風」で媚を売るか、「武装系女子」で戦いを売るか。
もちろん、堅実派で、しっかりと実績を残す女性議員も少なからずいるが、目立つのはこの2大流派である。こうした極端な女性リーダーたちの姿をまざまざと見せつけられて働く女性はこう思うのである。「あんなふうにはなりたくない」と。
彼女たちだけを責めるのは、酷なことかもしれない。徹底した男性優位主義の中で、生き抜くために彼女らなりに体得したサバイバルスキルであるからだ。死に物狂いで策を尽くし、政治の世界で数の上での女性のプレゼンスを確保してきたという自負もあるだろう。しかし、目立つ存在である彼女らが騒動を起こすたびに、「だから女性は」と十把一絡げに思われてしまいがちなのも事実なのである。
男女で補い合う関係性をつくれる環境づくりが必要
女性が男性に比べてリーダーの資質において劣っているというデータはない。女性も多くのリーダーシップ資質を男性に劣らずに持っている。2018年9月のピューリサーチセンターの調査によれば、男女は違うリーダーシップスタイルを持っているが、どちらかが優れているというものではないという考え方が多いことがわかった。
共感力、倫理観などにおいて女性が優れていると考えられている一方、リスクをとる、交渉力などにおいて男性が勝ると捉えられていた。つまり、補い合える関係性であり、そのシナジーを生かす企業のほうが成長性が高いということだ。
そういった意味で、やはり優れた女性のリーダーシップ人材を埋もれたままにするのはあまりにもったいない。現在の日本の女性活躍の難しさは、男性のマインドだけの問題でもなければ、女性の側の問題というわけでもない。制度を整えるだけではなく、女性の社会進出を妨げる見えざる障壁や偏見、固定観念をタブーにせず、洗い出していくことも必要だろう。
政治家の失言、スキャンダルが相次いでいるが、そういった意味で、まずは国会議員の先生方が男女を問わず、リーダーとしての自らの資質を今一度見直し、国民の範たる存在となりえているかを問うていただきたい。
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