本橋麻里のカーリング人生変えた衝撃の出会い 人生の中にカーリングがある、という生き様

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大会中は感極まったり涙が浮かんだりの場面がいくつかあったけど、みんなを動揺させないよう感情を抑えて、同じ気持ちを共有しつつどっしり構え、一定でいようと努めました。私は先頭で引っ張るリーダーではなく、仲間を舞台裏で支える形で引っ張るリーダーのほうが性に合っているんです。

今は「銅メダル取って、で?」という時代

──かつてはアルバイトと親からの仕送りで生計を立てる選手がほとんどだったそうですが、選手たちの生活も好転しましたか?

法人を立ち上げたことで収入は改善しました。ロコ・ソラーレ所属としてのお給料と、各選手には社会人という一面も残したかったので、1人ずつ北見市の企業さんに預かってもらい、そちらからの給料も出ます。1年の3分の2は海外に出ていてほとんど職場にはいないんですけど、会社の理解を得て、所属選手としてPRなどに力を発揮しています。

今は銅メダルを取ったからよしという時代ではない。「銅メダル取って、で?」という話になります。ずっとメダルをチラつかせて人生を送るのか、それともメダルを選手としてのさらなるステップアップに使うかでは、歩む人生がだいぶ違う。視野の広がり方も違うと思います。

──ロコ・ソラーレでは“密なコミュニケーション”を大事にされています。コミュニケーションが大事なのは何においても一緒だと思いますが、カーリングならではの重要性とは何ですか?

カーリングはショットメイクするのにコミュニケーションが不可欠。氷の状態、どんなスピードなら決まるか、時計回り・反時計回りどちらのターンで投げ、どこを目がければいいか。限られた持ち時間の中で判断しなければならない。

それらをババッと話せばいいのではなくて、互いに信頼関係があるかないかで、試合の雰囲気や個々のモチベーションが変わってくる。声かけのタイミングや伝え方のトーン、言いかた次第で傷ついて自分の存在感を見失ってしまう選手も出てきます。

1つの大会は大体1週間くらいですけど、大会期間中に気分が落ち込んじゃう選手もいれば、絶好調の選手もいる。浮き沈みがあるとそれだけ疲れますし、なるべく平常心というか平均値にみんなの気持ちを合わせることが、チーム競技ではすごく大事なんです。選手5人にスタッフ・コーチを合わせても少人数なので、「彼女、すごく楽しそう」「この人、すごい疲れてる」と一人ひとりの感情がもろにわかる。

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