「誕生日祝い」を凝りに凝る、若者たちのリアル インスタ映えを超えて、さらに高度化

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<事象5>ストーリー

ここからは誕生日会そのものの話ではないが、誕生日のSNS投稿に関する最近の傾向について紹介したい。

インスタグラムのストーリー機能を使って誕生日を祝う(写真:筆者提供)

2016年8月よりインスタグラムに追加されたストーリー機能。この機能を使って誕生日を祝う若者が増えており、そのやり方にも一定の形式ができはじめている。

具体的には、友達がお祝いをされているストーリー画面をスクリーンショットして、その写真にお祝いコメントを書き、それを自分のストーリーに投稿するというものだ。狙いはずばり、『お祝いの連鎖』だ。

自分の友達が自分をお祝いしてくれている投稿を見つけた場合も、それをスクリーンショットして「◯◯がお祝いしてくれた! ありがとう!!」などのようにお礼のコメントを載せ直してストーリーに投稿する。

気持ちをダイレクトに表現できて特別感を出せる

都内の私立大学に通うHさんは、ストーリー機能を用いて誕生日をお祝いしてもらった経験を持つひとり。そのときのことを聞いてみると、

「友達に誕生日を祝ってもらったときの写真をストーリーにアップしたら、お祝いしてくれた友達がその写真をストーリーに投稿してくれました。また、そのときは一緒にいなかった親しい友人も、その写真にお祝いのコメントをつけて投稿してくれました」と話す。

Hさんも日頃、友達の誕生日をストーリー機能を用いてお祝いすると言う。「ストーリー機能を使ってお祝いをする相手は『普段から一緒に写真を撮る、とくに仲のいい人』。普通の友達にはLINEなどで“おめでとう!”だけを送るが、毎日一緒にいて、写真をたくさん撮り合うような仲のいい相手へは、LINEに加えてストーリーでのお祝いをします」とHさんは言う。

「ストーリーだと写真に文字を加えて投稿できるので、インパクトとお祝いの気持ちをダイレクトに表現できます。また、1日で投稿が消えるので、ややふざけて撮った恥ずかしい写真も投稿しやすいし、自分が好きな相手を祝っている特別感も出すことができます」(Hさん)

インスタ映えを意識しなければならない通常の投稿に対して、ストーリーはそのときの気持ちや状況を写真+文字で大々的に表現でき、変顔や面白写真など、より自由な表現が可能になるのだ。

今、通常の投稿では「風景の写真だけ」など特定のテーマに限って投稿している若者も多い。そのような人にとって、そのときの気分を気軽に表現できるストーリー投稿は、誕生日を思い切り祝うのに適した方法であるようだ。

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