若手社員がネットで問題を起こす「当然な背景」 「デジタルネイティブだから大丈夫」ではない

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ところがネット環境が充実して、各自がメールでアンケートを送ることで回収が劇的に向上することになりました。このときにどのようにしてアンケートを見て、記入して送るのか? 会社のPCは職場には1台しかない。一般社員は活用することができない状況。ゆえに自分が所有するスマホで行うしかない会社が、驚くことにかなりあるのです。

おそらく普段は会社のデバイスでネットを活用する機会が少なく、会社支給のデバイスがなくても支障がないのかもしれません。

取材した飲食チェーンの若手社員は、入社数年経過していましたが、仕事でネットを活用したことは1回もないとのことでした。ただ、プライベートではスマホを頻繁に利用。SNSで友人とのキャンプや飲み会などのイベントをよくアップするようです。

スマホ所有率は高い一方、個人所有のPCは…

冒頭の事件のような写真をアップする常識知らずではないようですが、仕事でネットを使ったことがないと、不安を感じているようでした。店舗勤務でPCを使う業務報告は店長にならないと行えないとのこと。ただ、本社勤務になれば、PCを使って仕事をする機会が増えます。そのときに使いこなせるか?自信がないようでした。

ネットを当たり前に使う世代であっても、仕事上でネットを活用するのは、社会人になって初めてする経験です。経験と学びの機会がなければ、社会人としての常識を学べる機会が少ないといえるのではないでしょうか。

そもそも、デバイスについても、若者がどれでも使いこなせるとは限りません。若者のスマホ所有率は高い一方、個人で所有するPCは減少傾向にあり、若手社員のPCスキルが下がっているとの声を近年、よく聞くようになりました。

スマホで最初にネットに触れる「スマホネイティブ」世代からすれば、PCを使う機会が少なく、タイピングが遅い、PCであれば当たり前の件名に何も書かないので受信者を困らせる……などの状況が起きつつあるようです。

社会人として必要なネットリテラシーとスキルとは何か。“社会人として”ネットリテラシーの高い人材を育てるためには、仕事でネットを活用する機会を増やす、さらにデバイスを会社から支給することが大事かもしれません。

高城 幸司 株式会社セレブレイン社長

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たかぎ こうじ / Kouji Takagi

1964年10月21日、東京都生まれ。1986年同志社大学文学部卒業後、リクルートに入社。6期トップセールスに輝き、社内で創業以来歴史に残る「伝説のトップセールスマン」と呼ばれる。また、当時の活躍を書いたビジネス書は10万部を超えるベストセラーとなった。1996年には日本初の独立/起業の情報誌『アントレ』を立ち上げ、事業部長、編集長を経験。その後、株式会社セレブレイン社長に就任。その他、講演活動やラジオパーソナリティとして多くのタレント・経営者との接点を広げている。著書に『トップ営業のフレームワーク 売るための行動パターンと仕組み化・習慣化』(東洋経済新報社刊)など。

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