――言われてみれば……カネゴンなどのウルトラ怪獣のデザインは、スター・ウォーズのヨーダやジャバ・ザ・ハットなどに負けない魅力があるかもしれないですね。
海外からきたスター・ウォーズやバットマンはかっこいいけど、日本のウルトラマンはダサいというイメージを、消費者もメーカーもなんとなく持っていたと思います。
だから「ウルトラマンはかっこいいです」「御社でウルトラマンを出したら絶対に売れます」「僕も欲しいです」とメーカーに直談判するんです。そうすると、メーカーが僕の熱量に負けて商品化します。当初渋々だったとしても、本当に売れるので、やってよかったと言ってもらえるんです。
原型師の力でフィギュアは魅力的になる
――藤田さんがいちばん好きなウルトラマンのフィギュアは何ですか?
まずフィギュアについて説明しますと、ウルトラQやウルトラマンが放送された1966年当時に売られていたおもちゃはデフォルメされていて、テレビに出ている姿とは違ったものでした。1980年代後半にリアルなタイプが出てきます。そして、僕が最も気に入ってるウルトラマンのフィギュアは、原型師の解釈が入っているんですね。
――原型師の解釈?
フィギュアは粘土原型など、基本的に手作りです。今は、撮影で使ったスーツを3Dキャンして、そのデータから作ることも可能ですが、それではいいものは作れません。3Dスキャンしたものでも、僕らの脳内イメージにあるキャラクターの姿に手直しするほうがよいものになります。
僕は海洋堂というフィギュアメーカーの木下隆志さんという原型師が作るウルトラマンが自分の脳内イメージのウルトラマンに近くて最高に好きです。このウルトラマンはいろいろな意味で自分の原点なので会社の机に置いています。疲れたときに見て、ヨシと元気を出すみたいな。はたから見たらダサいだろうけど。
――藤田さんが手掛けるフィギュアが円谷プロから発売されることになったそうですね。
そうです。円谷プロが発売元のフィギュアが出ます。今までは、僕が知る限りですが、円谷プロは監修で、発売元はメーカーというものばかりだったので、画期的な取り組みです。
今、ウルトラQ、ウルトラマン、ウルトラセブンといった初期の作品を、若い世代につないでいく「ULTRAMAN ARCHIVES(ウルトラマンアーカイブス)」というプロジェクトを会社として始めています。その中で「フィギュアを出していいぞ」って言われまして。ウルトラQの第19話が『2020年の挑戦』という、まさに来年に向けたようなタイトルなんですが、そこに出てくるケムール人という怪人を第1弾として発売します(2019年1月17日予約受付終了)。
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