年収や規模を知るだけの「企業研究」は間違いだ

人事が語る「本当に知って欲しい会社の中身」

ちなみに、組織があまり育成に干渉せず、自由に激しい社内競争をさせる企業は、教育制度のことより、「頑張ればたくさん稼げる」「頑張れば20代でも幹部になれる」といったような、結果を出した時のメリットばかりを前面に出す傾向が強いと感じています。自分はこういうやり方を好みません。とはいえ、必ずしも悪いやり方だとも言い切れません。なぜなら、これで強い人材が生まれていることも事実として見られ、本気で成長したいと考える人が、そうした環境を選ぶことは有りだと思うからです(ただ、その裏で犠牲が多いことはとても痛ましいですが……)。

企業によって伝えたいことにいろいろ違いがありますが、それでもおおよその人事担当者が、「これは知ってもらいたい」と思っている共通項があると考えています。それは、その企業の「強み=価値」です。

人事担当者は学生に対し、とにかく、企業の魅力を伝えることを重要な仕事としています。学生に、自社を「いいな」と思ってもらい、自社に集まってもらわなければなりません。よって、人事から発する情報は、学生に「いいな」と思ってもらえるような情報ばかりになります。学生のほうは、「そこで働くと格好よく見える」「友人に自慢できる」企業に入社したいと考えている人が少なくないので、人事は、その心情にささるような情報を積極的に発信しようとします。

「アピールした魅力」で集まる学生はろくでもない?

きれいなオフィス、飲み放題のドリンク、私服OKの職場、事業の将来性が明るい、若くてエネルギッシュな社長、充実したサークル活動、休みの多さなどなど。とにかく学生に受けそうな情報を出しまくって、魅力づけをします。

いろいろなメイクアップのテクニックを駆使してきれいにみせる努力をしているといったところでしょうか。しかしながら、今書いたような魅力だけに心を動かされて自社に向かってくる学生は、「ろくでもない」と思っている人事担当者が多いのが、ひどいところです。

積極的に情報発信しておいて、なんということだと思うとかもしれませんが、こうした表面上の魅力の数々は、「まき餌」であり、本当に食いついてほしいのは、表面上ではない本当の企業の魅力なのです。

その企業が存在しているのは、その企業の製品やサービスにお金を払っているたくさんの顧客がいるからです。顧客は、いろいろな製品やサービスの中から、その企業の製品やサービスを選んでいるということであり、選んだ理由が必ずあります。その理由こそが、その企業ならではの価値であり魅力です。

価値や魅力を知るためには、そもそもその企業が「何屋さん」なのかを知る必要があります。まず、その企業の顧客は、どんな方たちで法人なのか個人なのか? 相手が法人なら、その顧客法人の規模や業種、相手が個人なら、その顧客の性別、年齢等に特徴があるかを確認したほうがいいでしょう。

次ページ何を提供して顧客に喜ばれているのか?
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