知らないと残念すぎる「お手頃な泡」の魅力 シャンパーニュだけが泡じゃない!

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また、バルセロナではカヴァにオレンジや桃、リンゴなどのフルーツを入れてサングリア風でも楽しまれていて、気軽にカクテルっぽく飲めるのもいいですね。

次はイタリアから。イタリアではスパークリングワインのことを「スプマンテ(Spumante)」と呼びます。各地でさまざまなスプマンテが造られていますが、ぜひ知っておいてほしいのが“フランチャコルタ(Franciacorta)”。

イタリア北部、ミラノのあるロンバルディア州のフランチャコルタという地方で造られるスプマンテです。これも瓶内2次醗酵で造られる、ちょっと高級な発泡性ワインです。使われるブドウはシャルドネとピノ・ネーロ(フランスではピノ・ノワールと呼ばれる)、ピノ・ビアンコ(フランスではピノ・ブラン)ということでシャンパーニュと少し似ています。

熟成期間はなんと18カ月!

味わいの特徴は果実味の強さで、フルーティーさと複雑さのバランスが面白い泡です。この複雑さが生まれる理由のひとつが瓶内熟成期間の長さで、最低熟成期間が、カヴァが9カ月、シャンパーニュが15カ月なのに対して、フランチャコルタはなんと18カ月! また、フランチャコルタはイタリアでは比較的冷涼なエリアと言えますが、シャンパーニュ地方と比べれば、随分温暖で、ブドウの成熟度合いも高め。だから、果実味と複雑さが高いレベルで調和されるんですね。

カヴァが休日の昼間にのんびり気軽に飲みたいのに対して、フランチャコルタは週末のディナーの時にしっかり味わって飲みたい感じです。

最後のひとつもイタリアから。ぜひ知っておいてほしいのが、リーズナブルで気軽に楽しめる“ランブルスコ(Lambrusco)”です。

ランブルスコとはブドウの品種名です。イタリア北部、エミリア・ロマーニャ州で造られる、「赤のスパークリングワイン」なんです。特徴はなんといっても、ブルーベリーやカシスといった黒系ベリーのしっかりとした香りと、果実味にあります。

また、ちょっと黒こしょうみたいなスパイシーな要素もあったりするので、ランブルスコは食前酒というよりもぜひお食事と一緒に楽しんでほしい泡。赤だけど泡があるぶん軽やかで、とくに中華との相性はバツグン! その他エスニック系など、幅広いお料理に合わせることができますよ。

次ページ一度は飲んでほしい「熟成されたカヴァ」
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