プロ野球オフに甦る「楽天初キャンプ」の記憶 18年オフも春季キャンプを前にFAが話題に

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この球場も、球団ができて3カ月くらいの準備期間しかない中、最短で頑張って造ってくださったと感謝しています。わずか3カ月で整地からキャンプができる状態にしてくれたことは、今考えると本当に凄いことでした。

しかし、今だから正直に言えますが、いったいこの先どうなるんだろう、という不安はこのようなことに直面するたび、いつも心をよぎっていました。でもそのたびに「頑張るしかない!」と奮起もしていたので、こういう出来事がチームの団結力やチームへの愛を、結果的に強めてくれたのかもしれません。

そうして迎えた2月1日、新生・楽天イーグルスとしての初めての春季キャンプ初日。

真新しいユニフォームで球場に隣接しているホテルから自転車で移動(笑)し、グラウンドに到着しましたが、まずいちばん驚いたのは、報道陣の多さでした。これまでの私が所属していた近鉄バファローズのキャンプでは考えられないくらいの人の多さに、改めて新しくできた球団への注目度の高さを実感させられたものです。

大所帯での初キャンプもどうにか終えることができた

練習前のミーティングを終え、いよいよウォーミングアップに入りましたが、自分の中でのキャンプ初日のウォーミングアップといえば、90分間くらいの時間の中でランニングなどを多めに行うものだという認識でした。しかし楽天初のそれはランニングも少なく、非常にラクでした。

その理由に関してはおそらく、外国人のコンディショニングコーチだったことと、その方もプロ野球の春季キャンプのウォーミングアップをするのは初めての経験だったので、知識が乏しかったんじゃないかなと推測します。私自身はキャンプを乗り切るために、自主トレ期間中にしっかり下半身強化を行ってきていたので、ちょっと拍子抜けした感じは否めませんでしたが。

しかしいざスタートしてみるとなんとかなるもので、懸念していた大所帯に関しては1軍と2軍が時間をずらして練習をすることで解消しましたし、また、選手も知恵を出し合ってコンディショニングコーチにトレーニング内容を掛け合ったりもし、2週間という期間を初キャンプにしては上々の内容で終えることができたことはうれしい成果でした。

こうして乗り切った久米島での春季キャンプでしたが、これが終わるといよいよ宮崎県日向市での2次キャンプに突入です。

その話はまた、次回に。

礒部 公一 プロ野球解説者

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いそべ こういち / Koichi Isobe

元プロ野球選手。2018年からプロ野球解説者に転身。右投げ左打ち。1989〜1991年広島県立西条農業高等学校 /1992〜1996年三菱重工株式会社広島製作所 /1997〜2004年大阪近鉄バファローズ/ 2005〜2009年東北楽天ゴールデンイーグルス / 2009〜2017東北楽天ゴールデンイーグルス・コーチ。2004年、球界再編問題に近鉄最後の選手会長として労使交渉に奔走した。2005年、東北楽天ゴールデンイーグルスに創設メンバーとして加入、初代選手会長に就任するとともに、中心選手として生まれたばかりのチームを支えた。

Twitter:https://twitter.com/isobekoichi

Facebook: https://www.facebook.com/Isobekoichiofficial/

公式HP:http://inwheel.jp/isobe/

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