「産後クライシス」でギリギリの夫を救う方法 夫を救うのは、隣の夫?

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ある中堅企業の男性の話は、とても印象的なものでした。

彼はその会社で、初めての男性の育休取得者でした。仕事も家族も愛していた彼は、育休後も残業をしなくてすむよう、仕事をできるだけ効率的に行いました。

しかし、その働き方が “子育てシフト”と社内で目立つようになり、その結果、成果を上げていたにもかかわらず、望まない異動を命じられたというのです。それは客観的に見ても辞令の時期などがとても不自然で、見せしめともとれるものでした。

年々増える長時間労働は、子どもが生まれても大前提。“子育てシフト”にしたら人事に影響する可能性もある。そんな孤立無援の状況の中で、夫は妻と一緒に「産後」に立ち向かわなければならない。

はっきり言います。これはムリゲー(クリアが非常に困難なゲーム)です。

ばらつく価値観を「すり合わせ」てみる

そこで先ほどの提案です。

職場や喫煙室、また社員食堂や居酒屋。そんな男同士のコミュニケーションの場で、「産後クライシス」という言葉を使ってみることはできないでしょうか。最初は「うち、産後クライシスみたいなんだよねー」といったつぶやきでも構いません。この言葉が少しでもシェアされるようになるだけで、職場の価値観が変わる可能性があると思うのです。

それは24時間働けますか、なんて言っていた頃には難しかったかもしれません。しかし、ちょうど父親になるあなたの世代は、男女の役割分担についてはかなり価値観が「ばらついて」きています。

少し考えてみましょう。

今、妻の第1子出産時の平均年齢は30.1歳。そこから考えると、父親になる人の多くは1970年代から1980年前半生まれの、いわゆる団塊ジュニアやポスト団塊ジュニアと言われる層です。

この世代は社会人としては右肩上がりの成長やバブルを経験していません。しかし、いわゆる3高(高身長・高学歴・高収入)なんて言葉に象徴される学歴社会の下、受験戦争や就職氷河期を戦い抜いてきたため、仕事熱心です。

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