「産後クライシス」でギリギリの夫を救う方法 夫を救うのは、隣の夫?

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そうすることで夫が単なる「作業」と思っていた家事を、妻がどれだけ大事に思っていたかわかるかもしれませんし、不満を言い合えない状況が、互いを追い詰めていたことに気づくかもしれません。いずれにせよ話し合うことで妻の不機嫌の根本に近づけます。

育児・家事について重要なのは分担の割合ではなく、互いに納得しフェアと思えるかです。男女でこの問題を話し合えるようになれば、大きな前進です。

しかし、それに加えて、

③ 職場などの男同士(男×男)で話し合う

おそらく、このことも同じくらい重要なことなのではないでしょうか。

産後クライシスという問題を、たとえば上司×夫や、同僚×夫、地元の友人×夫などでシェアできるようになると、「会社」という、男性社会が作り出してきた、ひとつの”深刻な社会構造”を、変えられるかもしれないと思うのです。

“ムリゲー”を作り出す社会構造

ここで、重要なデータを2つ挙げます。

まずひとつは早稲田大学の黒田祥子准教授のデータです。

研究によると1日に10時間以上フルタイムで働く男性の数は1976年に17.1%でしたが、その後、増加傾向を続け、2006年には42.7%に上りました。日本人の男性はこの30年で長時間労働がより当たり前になっています。

さらに意味深いのはこちらです。

ベネッセの次世代育成研究室が子どもを持つ時期の夫たちを調べたデータです。

夫の長時間労働は妻が妊娠しても出産しても、ほとんど変わりません。この2つのデータは、おそらく日本の会社において周りがゴリゴリ働く中、ひとりだけ働き方を変えることの困難さを表しています。

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