「子どもも生まれたんだから、もっと頑張れ(残業しろ)」
「そんなの、みんな経験するんだよ。女の尻に敷かれて情けないやつだな」
「男のくせに育休なんて、キャリアはどうでもいいんだな」
これらは父親になった男性たちが、上司に言われてショックだったことの一部です。今やこうした言葉は、部下のやる気に直結する可能性があります。
東レ経営研究所の渥美由喜さんは、「これからの管理職の必須スキルは、産後クライシスという問題を抱えた部下に共感できることだ」と言います。共働きが普通になる時代に、かつての伝統的マネジメントは通用しなくなるというのです。
職場で育児と仕事を両立しながら、しっかりと成果を上げる社員がいたら、その苦労をよくみてあげてください。その社員の仕事へのモチベーションはきっと上がります。
社会構造の問題として、議題を設定し直す
私たちは産後クライシスという問題を2年近く取材してきました。それは、この問題を母親自身や家族という枠組みにとどめず、社会構造の問題として、議題の設定をし直す必要があると考えたためです。
連載の第1回で「産後とは幸せの始まりである一方で、夫婦の正念場でもある」と言いました。しかし、これは「産後とは夫婦の正念場である一方で、さらなる幸せの始まりである」と言ったほうが、本質に近いと考えます。
産後クライシスという問題を男同士でもシェアする。少し意外かもしれませんが、そのことによって夫婦の愛情はより深まり、家族の幸せは大きくなる。私たちはその可能性が十分にあると思っています。
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