※第1回記事「日本人を襲う『産後クライシス』の衝撃」
※第2回記事「産後クライシスは、いつ終わるのか?」
妻だけでなく、夫もギリギリ
「平日は連日残業。金曜の深夜に家に帰って、土曜は朝イチで朝食を食べて、子どもと一緒に公園へ。もう、これ以上ムリ。おれはどこで休めばいいんだ……」
前回、「出産後は、夫もうつになりやすい」という海外のデータを紹介しましたが、実は同様の研究が今、日本でも進んでいます。来年以降にその結果が出ますが、担当する研究者の話では、産後は一般に夫の負担も増えるため、海外と同様の結果が出る可能性が十分にあるということでした。
出産後、急速に夫婦仲が悪化する現象である「産後クライシス」。前回もお伝えしましたが、その対策にいちばん有効なのは、「産後に、夫婦で立ち向かうこと」です。しかし、夫もうつになるかもしれないような“ギリギリ”の状況では、それはとても困難です。
では、どうすればいいのか?
少し思い切った提案をします。
「産後クライシスが大きな問題であることを男同士でシェア」できないでしょうか? 職場の上司や同僚、地元の友人たちとこの言葉について話し合うのです。
今までの枠組みを越えるために
昨年、「あさイチ」で産後クライシスをテーマに1時間の放送をして以来、このテーマはさまざまな場所で語られるようになりました。
それは主に、
① ママ同士(女×女)で話し合う
② カップルや夫婦(男×女)で話し合う
この2つだったように思います。
この中で特に②男×女が増え始めたことは、問題解決への大きな一歩です。産後クライシスの多くは男女のすれ違いから起きています。そして、その何よりの対策は、互いに育児や家事をどう思っているかを話し合うことです。