52歳ジャンプ漫画家が「芸人」に挑戦した理由 「ろくでなしBLUES」作者がなぜM-1に出場?
ガチガチに緊張した初舞台
――お二人が『M-1』に出たきっかけは?
森田まさのり(以下、森田):長田くんと飲んでいたときにノリで「今度『M-1』に出ようか」なんて言ってたんですよ。それでしばらくしたら「先生、ネタができました」って連絡が来て。僕はそれを聞いて驚きが2つありまして「本気にしちゃったの?」っていうのと、「君がネタ書いちゃったの?」っていう。
――ご自分でネタを書きたかったんですか?
森田:僕は長田くんが描いていた『キッドアイラック!』っていう漫画に出てくる大喜利のネタが面白いと思っていて、それに負けたくないっていうのがあったのに、書いちゃダメじゃない、っていう(笑)。数カ月後に会うとき、長田くんが1本書いていたので、僕は悔しいから2本書いてきて。
長田悠幸(以下、長田):そのときに初めて一対一でお会いしたんです。個室居酒屋みたいなところでお互いのネタを持ち寄って、声を出して読み合わせをしました。
森田:それから練習を始めて、2カ月後ぐらいに「週プレ酒場」っていう場所で僕のデビュー30周年イベントがあって、そこで初めて人前で漫才をやったんです。
――初舞台はどうでしたか?
森田:お客さんが僕のファンばっかりなので、何を言ってもウケるんですよ。だから初舞台には一番良かったかもね。
長田:ただ、緊張はしましたね。前日は寝られなかったです。会場にはお菓子とかいろいろ置いてあったんですけど、何も食べられないし。出番直前の緊張もすごかったです。内臓まで震えるような感じで。
森田:お客さんが50人ぐらいの狭いところなんですよ。それでもガチガチに緊張して。
――その後、『M-1』の予選に挑むわけですが、そこではやはり格別の緊張感があったんでしょうか?
森田:そうですね。1回戦、2回戦まではお客さんも少ないので、その中に僕らのファンも結構来てくれていたんですよ。
長田:身内の編集さんとか作家仲間とか。
森田:それでたくさん笑ってもらえたのかな、っていう。でも、ルミネtheよしもとで行われる3回戦とかになると、完全にアウェーな感じで。僕の緊張のピークはそこでしたね。
――「ルミネtheよしもと」ってお笑い界でもちょっと特別な場所ですよね。
森田:ルミネは特別ですね。何回も取材で行っているんですけど、自分がそこでプレーヤーとして入っているとまた全然違う感慨がありました。出番直前も僕はじっとしていられなかったんですけど、長田くんはよくじっとしてたな。
長田:あ、僕はルミネは意外と大丈夫だったんです。むしろ初舞台のときが一番緊張しました。
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