鎌倉路地奥のイタリアンが評判になった理由 兄はピザ職人、弟はチーズ職人

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場所が場所だけに、最初はそれほどお客さんが来るとは思わず、「お客さんが来なかったら、早めに店を閉めて、飲みに行こう」と兄弟で話していた。

ところが、2015年4月に店がオープンすると、初日から満席とはならないものの、地元の人を中心に多くのお客さんが足を運んでくれた。イタリアで修行してきた兄弟が新しい店を始めるらしいというウワサが広まっていたのだ。

店内の様子。店内にカウンター席、テーブル席があるほか、外にテラス席もある(筆者撮影)

その後は、一度来たお客さんが別のお客さんを連れてくるというように、リピーターがどんどん増えていった。筆者もその一人で、味も値段も、ものすごくまじめにやっているなという印象を受けた。

閉店後の深夜にチーズ作り

しかし、開店後、すべてが順風満帆というわけではなかった。大志郎さんは、開店後しばらくの間、いすの上で仮眠1~2時間という生活が続いたという。

兄でピザ職人の健太郎さん(左)は44歳。弟でチーズ職人の大志郎さんは42歳。一緒に店をやりたいという若い頃の夢がかなった(筆者撮影)

22時に店を閉めた後、店の片付けやレジ締めを行い、その後に深夜からチーズ作りが始まる。牧場から汲んできた生乳を低温殺菌後、乳酸菌を加え発酵を進ませる。凝乳効果がある酵素「レンネット」を加え、絹ごし豆腐のような状態になったところで、細かくカットし、牛乳の中の脂肪分(固形部分)とホエー(乳清)に分ける。ホエーからはリコッタチーズを作り、脂肪分はさらに発酵させ、モッツァレラなどを作る。チーズ作りは週に4回行い、作る分量などにもよるが、6~7時間以上はかかる。

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